アーチャー・アビエーション株、決算赤字も急反発!市場が楽観する理由

  • 2025年8月13日
  • 2025年8月13日
  • BS余話

アーチャー・アビエーション(ACHR)の株価は、第2四半期決算で予想を上回る赤字を発表したにもかかわらず反発しました。12日の取引では一時9ドルを割り込みましたが、その後切り返し7.44%高の10.25ドルで引けました。S&P500指数は1.13%高、ダウ平均は1.10%高となっています。

予想以上の赤字も市場は冷静に評価

アーチャー・アビエーションの第2四半期営業損失は約1億7,600万ドルで、ファクトセット調べのアナリスト予想(1億3,200万ドルの損失)を上回る赤字となりました。同社はまだ売上を計上しておらず、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発に予想以上の費用を投じています。それでも市場は大きな懸念を示していません。

同社は四半期末時点で約17億ドルの流動資産を保有しており、製造能力の拡大を計画中です。現在6機の「Midnight」eVTOLを製造しており、2025年第4四半期にアラブ首長国連邦(UAE)で商業運航を開始する予定を改めて示しました。

アナリスト評価は依然として強気

カンターフィッツジェラルドのアナリスト、アンドレス・シェパード氏は、同社の計画を評価し、株価目標を13ドル、投資判断を「買い」としました。ドイツ銀行のエディソン・ユー氏も目標株価15ドルで「買い」評価を維持しています。

ユー氏は年内に複数の株価上昇要因が見込めるとし、より高度な飛行試験やUAEでの商業的進展が期待できると述べています。また、防衛契約の獲得もプラス要因になるとしていますが、こちらは来年の想定としています。

同業他社の株価動向

アーチャー・アビエーションの株価は年初来で2%下落していますが、過去12か月では169%上昇しました。同業のジョビー・アビエーション(JOBY)は年初来110%高、過去12か月で241%高と急伸しています。

ジョビー・アビエーションは最近、ブレード・エア・モビリティ(BLDE)のエアタクシー事業を買収すると発表しました。なお、ブレードの医療部門は取引に含まれていません。この発表を受け、8月4日のブレード株は17%上昇しました。

会社概要

アーチャー・アビエーションは、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く電動航空機メーカーです。主に都市間や都市内の短距離移動向けに、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発・製造を行っています。代表機種「Midnight」は静粛性と持続可能性を重視し、最大航続距離約160キロメートル、急速充電対応などの性能を備えています。同社はUAEや米国内での商業運航開始を目指しており、航空交通の新たな形として注目されています。

*過去記事「パランティアが過去最高値を更新!アーチャー・アビエーションとの提携で株価急騰

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