米国の半導体メーカーであるマイクロン・テクノロジー(MU)の株価は、2025年8月11日の米市場で取引開始直後に6%以上上昇しました。その後下落しましたが、終値は3.99%高の123.63ドルとなっています。これは、第4四半期(8月28日終了予定)のガイダンスを引き上げたことが要因です。
売上・利益見通しを上方修正
マイクロンは、第4四半期の売上見通しを従来の107億ドル(±3億ドル)から、112億ドル(±1億ドル)に引き上げました。調整後の粗利益率は従来の42%(±1%)から44.5%(±0.5%)に改善すると予想しています。さらに、調整後1株当たり利益(EPS)の見通しも2.50ドル(±0.15ドル)から2.85ドル(±0.07ドル)へ引き上げました。
この上方修正は、主にDRAM(動的ランダムアクセスメモリ)の価格改善と強固な事業遂行によるものとしています。
アナリストの評価と市場の反応
米国みずほ証券のデスクアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、この発表について「強気な見方に懐疑的だった投資家に対する明確な反論」とコメントしました。また、調整後の営業費用ガイダンスも12億ドル(±2,000万ドル)から12億2,000万ドル(±1,500万ドル)へやや引き上げられました。
マイクロンの株価は6月にS&P500の中でも上位のパフォーマンスを記録し、5月期には過去最高の四半期売上を達成しました。これはAIチップに使用される高帯域幅メモリ(HBM)製品の需要増加によるもので、特にHBMの売上は前期比で約50%増加しました。
HBM4での優位性と将来展望
7月に株価は一時調整しましたが、アナリストの中には長期的なAIチップ需要やカスタムシリコン需要による追い風を指摘する声もあります。米国みずほ証券の調査チームは、マイクロンの次世代HBM4チップが大型ダイサイズにより平均販売価格が15~20%上昇する可能性があるとしています。
また、HBMは従来型DRAMに比べて平均販売価格が約5倍高くなる可能性があり、生産歩留まりの向上と量産体制の確立に伴って粗利益率も改善すると予測しています。さらに、マイクロンは2026年にHBM市場でのシェア拡大が見込まれるとしています。
*過去記事「マイクロン・テクノロジー、過去最高売上を記録!AI需要が追い風に」
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