パランティア株が急騰、決算はウォール街の高すぎる期待を上回る好結果

データ解析ソフトウェア企業のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)が2025年第2四半期決算を発表し、市場予想を大きく上回る業績を記録しました。株価は通常取引で4.1%上昇し、時間外取引でもさらに3%上昇するなど、投資家の強い関心を集めています。
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売上が初の10億ドル超え、米国政府との契約が成長を後押し

四半期売上は前年同期比48%増の10億ドル超となり、ウォール街の38%増予想を大幅に上回りました。特に米国市場での売上が前年同期比68%増と好調で、米国政府との新契約が寄与しています。

パランティアは最近、米陸軍との10年間・100億ドル規模の契約を締結しました。この契約では、従来75件に分かれていた契約を統合し、運用効率を高めています。これにより、米政府向け売上は前年同期比で53%増加しました。

主役は米国民間部門、前年比93%の驚異的成長

今回の決算で最も注目されたのは、米国民間企業向け売上の93%増という圧倒的な成長です。海外市場での存在感は限定的である一方、米国国内でのビジネスが加速度的に成長しています。

成熟企業並みの利益率、潤沢なキャッシュ保有

パランティアは、成長中のソフトウェア企業でありながら、一般に認められた会計基準(GAAP)ベースでの黒字を確保している点でも注目されています。GAAPベースの営業利益は2億6900万ドル、営業利益率は27%と高水準でした。さらに、売上の半分以上がフリーキャッシュフローに転換され、現金および短期投資残高は60億ドルに達しています。

業績見通しも引き上げ、市場予想を大幅に上回る

2025年第3四半期のガイダンスでは、売上が前年比50%増、調整後営業利益が80%増となる見通しです。これは、アナリストの予想(それぞれ35%増、55%増)を大きく上回っています。あわせて、通期のガイダンスも売上6%、調整後営業利益12%の上方修正がなされました。

軍事分野での存在感も拡大、ソフトウェア企業が主契約者に

パランティアは米陸軍向けの新型AI分析ユニット「TITAN」においても、ソフトウェア企業として初めて主契約者を務めました。これは、伝統的にハードウェア主導だった国防調達が、今後ソフトウェア主導に移行していく兆候と捉えられています。このプロジェクトには、ノースロップ・グラマン(NOC)やL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)といった防衛大手も参加しています。

株価は1年で567%上昇、高評価と高バリュエーションが交錯

パランティアの株価は2024年8月の24.09ドルから、2025年8月現在で160.66ドルと、1年間で567%の上昇を記録しています。しかしながら、今後12ヶ月の売上に対して82倍という株価売上倍率(PSR)は、ナスダック100指数の6.1倍と比べて極めて高く、過熱感を指摘する声もあります。アナリストの平均目標株価は116ドルで、40ドルから178ドルまで幅広い予想が出されています。

決算発表後は株価の乱高下も、投資タイミングに要注意

パランティアの株価は、決算発表の翌日に平均16%の上下変動を見せることが多く、過去19回の決算発表のうち9回は株価が下落しています。今回のように好調な決算で株価が素直に上昇することは少なく、トレーディングには高いリスクが伴います。

パランティアの今後に注目

パランティアは、分散したデータを統合し、意思決定を支援するソフトウェアを提供する企業です。設立当初は米国の情報機関向けにサービスを提供しており、現在では軍事や民間企業向けにも展開を広げています。CEOのアレックス・カープ氏は「クライアントはパランティアのような財務体質を求めており、我々の単位経済性がその上流にある」と語っています。

今後も高成長を維持できるのか、パランティアの進化に注目が集まります。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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