急成長のヒムズ&ハーズ・ヘルス、決算でつまずき市場に動揺

  • 2025年8月5日
  • 2025年8月5日
  • BS余話

2025年8月4日、テレヘルス企業のヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)の株価が時間外取引で大きく下落しました。第2四半期の決算で売上・利益ともに市場予想を下回り、今後の成長に対する懸念が広がっています。

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決算は好成長も市場予想に届かず

ヒムズ&ハーズ・ヘルスは、1株当たり17セントの利益と5億4,480万ドルの売上を報告しました。前年同期比では売上が72%以上増加しており、表面的には高い成長を示しています。

しかし、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想では、売上は5億5,170万ドルが期待されており、それを下回る結果となりました。このため、株価は時間外で13%下落し、55ドルとなっています。

なお、通年の売上ガイダンスはこれまでと変わらず、2025年通期で23億〜24億ドル、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)で2億9,500万〜3億3,500万ドルを見込んでいます。

成長戦略とCEOのコメント

共同創業者兼CEOのアンドリュー・ドゥドゥム氏は、同社が今後「高い影響力を持つ新たな専門領域」へと参入することで、さらなる成長段階に入ると述べました。これにより、単一の症状に対処するだけでなく、より包括的な健康管理を提供できるようになるとの意向を示しています。

ヒムズ&ハーズ・ヘルスは、これまでに薄毛、メンタルヘルス、性の健康など幅広い分野でサービスを展開してきました。今後もテレヘルス市場の裾野を広げることが期待されます。

GLP-1需要の鈍化懸念が重しに

同社が注目を集めている理由の一つが、肥満治療薬GLP-1の販売です。以前はノボ・ノルディスク(NVO)との関係で話題となりましたが、提携終了後も独自に合成版を提供してきました。

しかし、GLP-1製品の供給不足が解消されたことで、代替品であるヒムズ&ハーズ・ヘルスの製品需要が減少するのではないかという懸念が高まっています。これが、決算ミスに加えて株価を押し下げる要因となった可能性があります。

今後の注目ポイント

・第3四半期ガイダンスは5億7,000万〜5億9,000万ドルと、安定した成長を予想
・新領域への事業拡大がどのように収益化するか
・GLP-1需要の継続性と競合環境の変化

今後の決算と実際の業績動向によって、同社の評価が大きく左右される局面が続きそうです。

*過去記事「ヒムズ株30%急落!ノボ・ノルディスクとの提携終了の衝撃

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