2025年7月25日付の米投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」は、人工知能関連銘柄として注目を集めるパランティア・テクノロジーズ(PLTR)について、米証券会社パイパー・サンドラーのアナリストが新たに強気の投資判断を示したことを報じました。
強気のアナリスト、目標株価は170ドルに設定
パイパー・サンドラーのブレント・ブラセリン氏は、パランティアの株式を「オーバーウェイト(買い推奨)」でカバレッジを開始し、目標株価を170ドルと設定しました。2025年7月25日の午後時点で株価は158.80ドル、年初来で2倍以上に上昇しています。
「AIオールスター」としての成長に期待
パランティアは2020年の直接上場以降、政府向けソリューションでの実績をベースに、近年は商業部門での拡大も進めています。ブラセリン氏は、同社を「AI革命における構造的な勝者(secular winner)」と位置づけ、今後も30%以上の売上成長と40%超のフリーキャッシュフロー率を維持できると予想しています。
特に米軍や国防総省との関係強化、ファニーメイとの連携、さらにアクセンチュア(ACN)やデータブリックス、SAPとの提携により、2030年までに商業部門の売上は年間50億ドル規模に達すると見込まれています。
高い株価倍率も、「押し目買い」で対応を
パランティアの株価は、今後12カ月の予想利益に対して232倍という非常に高い水準にあります。S&P500全体の平均が22倍程度であることを踏まえると、確かに割高な水準ではありますが、ブラセリン氏は「成長鈍化の兆候が見えた場合のリスクはあるものの、中長期では投資価値がある」と述べています。
特に過去5年間で株価が20〜29%下落した局面が12回あったことから、「そうした押し目を狙った買い戦略が有効だ」としています。
市場の評価は分かれる中、投資家注目の一手に
一方で、市場全体で見れば楽観一色というわけではありません。ファクトセットによると、パランティアをカバーする29人のアナリストのうち、「買い」評価は8人、「中立」が17人、「売り」は4人となっており、意見が割れています。
それでも、AIブームの中でパランティアへの関心は高まり続けており、同社のRedditコミュニティは10万人以上のメンバーを擁しています。今後の調整局面をうまく活用することが、投資家にとっての鍵となりそうです。
*過去記事はこちら パランティア PLTR