タレン・エナジーなど電力株が急騰!PJMオークションで何が起きたのか

  • 2025年7月24日
  • 2025年7月24日
  • BS余話

2025年7月23日、米メディア「バロンズ」は、タレン・エナジー(TLN)コンステレーション・エナジー(CEG)ビストラ(VST)の株価が大きく上昇したと報じました。その背景には、PJMインターコネクションが発表した最新の電力容量オークション(Base Residual Auction)の結果があります。

電力オークションの価格が大幅上昇

PJMは、2026/2027年向けの容量オークションで、13州とワシントンD.C.の電力需要に対応するため、13万4,311メガワットの発電・需給調整容量を確保したと発表しました。今回の入札での「クリア価格(clearing price)」は、1メガワット・日あたり329.17ドルと、前年の269.92ドルから大きく上昇しています。さらに、その前のオークションではわずか28.92ドルだったことから、ここ数年で急激に価格が上昇していることが分かります。

電力需要の高まりと供給逼迫の懸念

PJMは、電力需要の増加によって、昨年休止が予定されていた複数の発電ユニットが現役にとどまったと指摘しています。それだけ需給のバランスが逼迫している状況です。

さらに、PJMの管轄地域(中西部および大西洋中部)に限らず、全米で電力の信頼性リスクが高まっていると、北米電力信頼性公社(NERC)も警鐘を鳴らしています。NERCは、アメリカ本土48州全体の電力網の監視を担う非営利組織です。

株価に好影響を与えた要因

このような電力供給の逼迫と価格上昇は、発電事業を手がける企業にとっては収益増加の期待につながります。実際に、PJMの発表を受けて7月23日の米国市場では以下のような株価上昇が見られました。

  • タレン・エナジー(TLN):+8.7%
  • コンステレーション・エナジー(CEG):+4.6%
  • ビストラ(VST):+6.0%

いずれの企業も、PJMのオークションにおいて選定された発電事業者であり、将来的な収益の安定化が市場で好感されたと考えられます。

今後の注目ポイント

今後も気温の上昇やデータセンターの拡大、電気自動車の普及などにより電力需要の増加は続くとみられています。供給能力とのバランスが注視される中で、発電企業のビジネス環境は今後もしばらく追い風が吹く可能性があります。

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