アルファベット決算好調!クラウドと広告が牽引も巨額投資に懸念

2025年7月23日、アルファベット(GOOGL)は2025年第2四半期決算を発表し、売上・利益ともに市場予想を上回りました。特にクラウド事業や広告収入が成長を牽引した一方で、巨額の設備投資計画が投資家の間で議論を呼んでいます。

EPSと売上が予想超え、クラウドが急成長

アルファベットの1株あたり利益は2.31ドルと、前年同期の1.89ドルから増加し、市場予想の2.18ドルを上回りました。売上は964億ドルとなり、前年から14%の増加です。中でもGoogle Cloudは売上が前年同期比32%増の136億ドルとなり、大型契約(2.5億ドル超)の件数が倍増するなど、法人向けサービスの好調ぶりが目立ちました。

広告収入も堅調、YouTubeと検索が寄与

広告収入全体も前年比10%増と好調で、検索広告が12%増、YouTube広告が13%増となりました。YouTubeでは視聴者のテレビ利用が進んでおり、サブスクリプション収入も着実に成長しています。

CEOのサンダー・ピチャイ氏は「YouTubeで育った世代が、今ではテレビでクリエイターのコンテンツを視聴している」とコメントしています。

AI検索の台頭に対抗、Googleの戦略とは

オープンAIやPerplexityなどの生成AIによる検索エンジンが注目を集める中、Googleも検索結果にAI要約を導入するなど、巻き返しを図っています。ただし、検索分野でのシェア低下は、将来的な広告収益の減少リスクをはらんでいます。

とはいえ、現在でもGoogle検索は中国を除く世界市場で約90%のシェアを維持しており、強固な地位を保っています。

設備投資850億ドルへ増額、投資家の視線は厳しく

今回の決算で注目を集めたのが、2025年通年の設備投資計画を850億ドルに引き上げた点です。わずか3か月前に750億ドルとされていた水準から大きく増額されました。すでに上期で400億ドルを使っており、下期にかけてさらに450億ドルの支出が見込まれます。

同様に、メタ・プラットフォームズ(META)も前四半期に設備投資の増額を発表しており、ビッグテック各社がAIやデータセンター投資に本腰を入れていることが分かります。

自動運転のWaymoも将来の収益源に

アルファベットの「Other Bets」部門では、第2四半期に12億ドルの赤字を計上しましたが、その中で自動運転子会社のWaymoは期待の存在です。すでに米5都市で商業運行を行っており、走行距離は累計7,100万マイルを突破。ニューヨークやフィラデルフィアなど、さらに10都市以上での試験運行も始まっています。

為替効果も追い風に

第2四半期は米ドルが下落基調となり、アルファベットのようなグローバル企業にとって追い風となりました。同社の売上の半分は海外市場に由来しており、為替差益が前年比で1ポイント分の売上成長に寄与したとされています。

株価は時間外で上昇、ただし年間ではナスダック100に劣後

好決算を受けて、アルファベットの株価は時間外取引で2.8%上昇しました。ただし過去1年で見ると株価の上昇率は4.6%と、ナスダック100指数の16.8%増には及んでいません。いわゆる「マグニフィセント・セブン」の中では、アップル(AAPL)に次いでパフォーマンスが低い状況です。

今後は好調な事業成長と高まる投資負担のバランスが、株価動向のカギを握ることになりそうです。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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