テキサス・インスツルメンツ決算後に株価急落!その理由とは?

  • 2025年7月23日
  • 2025年7月23日
  • BS余話

2025年7月22日、米半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TXN)が2025年6月期の決算を発表しました。売上・利益ともに市場予想を上回ったものの、次の四半期に対する控えめな見通しが嫌気され、株価は時間外取引で12%以上下落しました。

予想上回る売上と利益

6月期の売上は44億5000万ドル、1株あたり利益は1.41ドルでした。いずれも市場予想(売上43億6000万ドル、EPS 1.36ドル)を上回る好結果となっています。特に、同社の売上の約19%を占める中国事業が堅調だったことが、収益の底支えとなったと見られています。

9月期見通しは保守的なレンジ

しかしながら、同社が発表した9月期のガイダンス(1株あたり利益1.36〜1.60ドル)は、中央値で1.48ドルとなり、市場コンセンサスの1.51ドルを下回る水準です。この控えめな見通しが、投資家の売りを誘ったと考えられます。

自動車市場の回復遅れと地政学リスク

アナリスト向けのカンファレンスコールでは、自動車市場がまだ回復していない点や、将来的な関税リスクへの懸念も示されました。同社は自動車、産業機器、家電など幅広い分野に半導体を提供しており、10万社を超える顧客を抱えることから、業界全体の先行指標としても注目されています。

アナリストは強気姿勢を維持

なお、決算発表直前の7月21日には、キーバンクのアナリストであるジョン・ヴィン氏が同社の「オーバーウェイト」評価を継続し、目標株価を240ドルとする強気のレポートを出していました。中国ビジネスの底堅さに注目しているようです。

今年の株価は堅調推移

2025年に入ってから、テキサス・インスツルメンツの株価は約15%上昇しています。これは、半導体関連ETF「iShares Semiconductor ETF(SOXX)」の13%上昇を上回るパフォーマンスです。

今後の焦点

同社は今期の決算シーズンにおける最初の大手半導体企業であり、その発表は他社の業績にも影響を与える可能性があります。引き続き、自動車業界の回復動向や米中関係の行方が、業績と株価の鍵を握りそうです。

*過去記事「テキサス・インスツルメンツ株が格上げ!今こそ注目すべき理由とは

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