鉄道業界に再編の兆し?CSXとノーフォーク・サザン株が注目される理由

  • 2025年7月22日
  • 2025年7月22日
  • BS余話

2025年7月21日、米投資情報メディア「マーケットウォッチ」は、鉄道業界での合併・買収(M&A)に関する観測と、それに伴うアナリストの評価変更について報じました。記事では、TDカウエンによるノーフォーク・サザン(NSC)CSX(CSX)の格上げに注目しています。

合併観測が広がる鉄道業界

最近では、ユニオン・パシフィック(UNP)によるノーフォーク・サザン買収の可能性が報じられ、鉄道業界全体に再編の動きがあると見られています。ユニオン・パシフィックはアメリカ西部、ノーフォーク・サザンは東部に強みを持つ企業であり、合併が実現すれば広大な全米横断ネットワークが誕生することになります。

このような背景から、TDカウエンはノーフォーク・サザン株を「ホールド」から「買い」へ格上げし、目標株価を従来の263ドルから323ドルに引き上げました。これは現在の株価水準から約17%の上昇余地を示す水準です。

CSXにも注目が集まる理由

ノーフォーク・サザンに加え、TDカウエンはCSXについても同様に「買い」評価を与え、目標株価を32ドルから45ドルへ引き上げました。こちらは約30%の上昇余地とされています。

アナリストは「鉄道業界の統合が進めば、最終的には4大クラスI鉄道が2社に集約される可能性があり、その流れのなかでCSXも恩恵を受ける」と述べています。さらに、CSXは今後の運行改善が期待されており、2025年末までに完了予定の「ハワード・ストリート・トンネル」と「ブルーリッジ支線」のインフラ整備プロジェクトが成長のカギになるとされています。

クラスI鉄道とは?

米国におけるクラスI鉄道とは、年間収入が10億7400万ドルを超える大規模な鉄道事業者を指します。現在、米国にはユニオン・パシフィック、ノーフォーク・サザン、CSX、そして非上場のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)の4社が該当します。

今後の展望

今回の報道では、ユニオン・パシフィックとノーフォーク・サザンの合併に注目が集まっているものの、アナリストは「ユニオン・パシフィックとCSXの組み合わせもまだ可能性として排除できない」とコメントしており、業界全体に今後も波及的な動きが期待されています。

鉄道業界というインフラの中核に位置する企業の動向は、今後の投資戦略にも大きな影響を与える可能性があります。特にM&Aによる再編は株価に大きなインパクトをもたらすため、今後の続報にも注目したいところです。

最新情報をチェックしよう!