2025年7月21日、米投資情報メディア「マーケットウォッチ」は、S&P500構成銘柄の中から今後2年間で売上成長率が指数の2倍以上になると予想される企業を選定し、注目の15銘柄を紹介しました。
情報技術セクターが最も高成長の見通し
マーケットウォッチによると、S&P500全体の売上成長率(CAGR)は2025年から2027年にかけて年率5.4%と予想されるなか、情報技術セクターは7.8%と最も高い伸びが見込まれています。このセクターには、エヌビディア(NVDA)やマイクロン・テクノロジー(MU)などAI需要にけん引される企業が多く含まれています。
また、産業、通信サービス、不動産などのセクターも6%台の成長が予想されており、今後の投資機会として注目されています。
スクリーニング条件と絞り込みの過程
今回の調査では、以下の条件に基づきスクリーニングが実施されました。
- S&P500構成銘柄のうち、2025年から2027年にかけて売上成長率が10.8%以上(S&P500の2倍)と見込まれる企業
- 少なくとも9人以上のアナリストがカバレッジしており、2027年までの売上予測が存在する企業
- アナリストの評価が「買い」または同等のポジティブ評価
- 株価がアナリストの目標株価より10%以上の上昇余地があること
この条件をすべて満たす企業は、わずか15社に絞られました。
注目の15銘柄一覧
以下が選定された企業とその売上成長率、1年後の株価上昇余地です。
企業名 | ティッカー | 売上高CAGR(〜2027年) | 予想PER | 株価(7月18日) | 目標株価 | 1年後の上昇余地 |
---|---|---|---|---|---|---|
サービスナウ | NOW | 19.2% | 52.5 | $963.40 | $1,100.61 | 14% |
イーライ・リリー | LLY | 18.4% | 29.5 | $771.71 | $988.17 | 28% |
トレードデスク(A) | TTD | 17.8% | 81.9 | $80.21 | $89.15 | 11% |
インスレット | PODD | 17.3% | 57.6 | $284.23 | $343.17 | 21% |
ファースト・ソーラー | FSLR | 15.9% | 9.3 | $175.85 | $198.15 | 13% |
デックスコム | DXCM | 15.0% | 36.3 | $83.89 | $100.84 | 20% |
マイクロン・テクノロジー | MU | 14.9% | 9.7 | $114.39 | $151.91 | 33% |
ウーバー・テクノロジーズ | UBER | 14.4% | 27.7 | $90.59 | $100.34 | 11% |
モノリシック・パワー・システムズ | MPWR | 14.2% | 39.1 | $725.24 | $796.92 | 10% |
パロアルトネットワークス | PANW | 13.6% | 53.5 | $195.78 | $214.91 | 10% |
ワークデイ(A) | WDAY | 13.2% | 24.7 | $233.06 | $298.09 | 28% |
インテュイット | INTU | 13.0% | 32.9 | $752.63 | $825.31 | 10% |
チポトレ・メキシカン・グリル | CMG | 12.4% | 40.4 | $53.93 | $60.69 | 13% |
キャピタル・ワン・ファイナンシャル | COF | 12.3% | 12.1 | $218.28 | $242.65 | 11% |
マスターカード | MA | 12.0% | 31.7 | $552.66 | $630.65 | 14% |
これらの企業は、AI、ヘルスケア、再生可能エネルギー、決済サービスなど、今後の成長が見込まれる分野に集中しています。
投資判断は自身での調査も重要
記事では「スクリーン結果はあくまで出発点に過ぎない」として、個別企業への投資判断を行う際には、競争優位性や将来の収益力を自身で調査・判断することの重要性も強調されています。
急成長が期待される企業に投資することで高いリターンを狙うことが可能ですが、同時にバリュエーションやリスクにも注意を払う必要があるとされています。