2025年7月17日、動画配信大手ネットフリックス(NFLX)が発表した第2四半期決算は、アナリスト予想を上回る好内容となりました。しかしながら、翌日の株価は5.1%下落し、1,209.24ドルで取引を終えました。S&P500(SPX)が横ばいだった中での下落は、市場の期待値がいかに高かったかを示しています。
ネットフリックスは、売上と利益の予想を上回っただけでなく、通期の売上と営業利益率の見通しも引き上げました。それにもかかわらず株価が下がった背景には、海外での売上増が主にドル安による為替効果だったことや、現在の株価が将来予想利益の44倍という高い水準にあることが指摘されています。
「フライホイールモデル」が引き続き強み
それでも、アナリストの多くはネットフリックスの事業構造に自信を持っています。特に注目されているのが「フライホイール型ビジネスモデル」です。これは、コンテンツ制作に利益を再投資することで、新たな視聴者を獲得し、結果として利益をさらに拡大していく循環構造を指します。
キーバンクのアナリスト、ジャスティン・パターソン氏は、ネットフリックス株を「オーバーウエイト」に格付けし、目標株価を1,390ドルに設定しています。これは現在の株価から約9%の上昇余地を意味します。パターソン氏は、「ハッピー・ギルモア2」や「ストレンジャー・シングス」新シーズン、さらにカネロ・アルバレス対テレンス・クロフォードのボクシングイベントなど、注目コンテンツの投入が成長を後押しすると見ています。
さらに、ピボタル・リサーチ・グループのジェフリー・ウロダルチャク氏も強気姿勢を崩していません。ネットフリックス株を「買い」で評価し、ストリート予想の中でも最も高い1,600ドルの目標株価を掲げています。同氏は2025年を「過去最大規模の新作投入年」と捉えており、世界市場での成長余地にも注目しています。
まとめ
短期的な株価の動きに振り回されず、コンテンツ力や国際展開力といった長期視点でネットフリックスを評価する動きは、依然としてウォール街では根強いようです。今後のコンテンツ投入と広告ビジネスの拡大が、さらなる成長をもたらすか注目されます。
*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX