2025年7月15日、米証券取引所の主要株価指数「S&P500」にロビンフッド・マーケッツ(HOOD)が採用されなかったことが明らかになりました。代わりに、広告テクノロジー企業のトレードデスク(TTD)が、買収により外れるアンシス(ANSS)の後任として選ばれました。しかし、多くのアナリストはロビンフッドの将来性に引き続き前向きな見方を示しています。
時価総額は十分ながら選定されず
S&P500の構成銘柄に選ばれるためには、時価総額や流動性など複数の基準を満たす必要があります。ロビンフッドの時価総額は882億ドルと、選出されたトレードデスクの371億ドルを大きく上回っていたものの、今回の選定からは漏れる結果となりました。7月15日の終値でロビンフッド株は0.4%下落して99.54ドルとなりましたが、トレードデスクは6.6%上昇しました。
四半期決算への期待が株価を支える
ロビンフッドの2025年第2四半期決算は7月30日に発表される予定です。大手証券会社パイパー・サンドラーは、ロビンフッドの1株当たり利益(EPS)を市場予想(0.31ドル)を上回る0.34ドルと予想し、目標株価を70ドルから110ドルへと大幅に引き上げました。
同社のアナリスト、パトリック・モーリー氏は「第2四半期は市場の不安定さが取引量を押し上げ、ロビンフッドを含む取引系企業にとって追い風となった」と指摘しています。また、暗号資産関連商品の拡充など新サービスの投入も評価されています。
モルガン・スタンレーも強気に転換
モルガン・スタンレーのマイケル・サイプレス氏も、同様にロビンフッドの今後の成長性に注目しており、投資格付けは「イコール・ウェイト(中立)」を維持したものの、目標株価を43ドルから110ドルへと大幅に引き上げました。同氏は、トランプ大統領による4月の「解放の日(Liberation Day)」関税発動後の市場混乱を経て、個人投資家が積極的に市場に関与し続けている点を評価しています。
長期的視点では成長ストーリーに変化なし
今回のS&P500未選出は一時的な失望材料となったものの、アナリストらの評価は依然として前向きです。ロビンフッドは、暗号資産サービスの強化や新規ビジネスラインの拡大によって、今後も収益拡大が期待されています。長期投資家の中には、今後の押し目買いのチャンスと捉える向きもあるかもしれません。