S&P500は6,600へ?今、ウォール街が強気な理由とは

  • 2025年7月15日
  • 2025年7月15日
  • BS余話

2025年7月に入り、米国株市場に対するストラテジストたちの見方が一段と強気になっています。米投資情報メディア「バロンズ」は、著名な金融機関のアナリストたちが次々とS&P500の年末目標を引き上げている現状を報じました。この記事では、その概要と背景を紹介します。

相次ぐ目標引き上げ、年末6,600予想も

今月だけで少なくとも3社がS&P500の年末予想を引き上げています。たとえば、RBCキャピタル・マーケッツのローリ・カルヴァシナ氏は、年末目標を5,730から6,250へと9%引き上げました。ただし、2025年後半の見通しには慎重であり、今回の引き上げは春先の関税ショック前の水準に戻した格好です。

一方で、バンク・オブ・アメリカのサヴィータ・スブラマニアン氏は、年末目標を5,600から6,300に引き上げ、企業の回復力を評価しています。また、ゴールドマン・サックスのデヴィッド・コスティン氏は、2025年の企業業績の強さを背景に、年末目標を6,600へと引き上げました。

関税懸念後退とAIによる生産性向上も支援材料に

今春に発表された関税の影響は依然として不透明ながらも、大手企業は在庫調整などで柔軟に対応しており、懸念は和らいでいると見られています。さらに、AIによる生産性の向上が長期的な企業利益を押し上げるとの見方も強まっています。

トライヴァリアント・リサーチの創業者アダム・パーカー氏は、AIの恩恵により今後数年間は年率10%前後の利益成長が可能と指摘し、S&P500が将来的に1万ポイントに到達する可能性にも言及しました。

業種別では金融株が注目

ブルームバーグによると、先週はS&P500の10セクター中9セクターでアナリストによる目標株価の引き上げがあり、なかでも金融セクターが2.4%の上昇と最も強い動きを見せました。

まとめ:上昇余地への期待と慎重さのバランス

関税リスクや政策不透明感は依然として残りますが、企業の収益力や経済の底堅さ、そしてAIによる構造的成長への期待が、投資家心理を支えているようです。S&P500が6,600を目指す可能性は現実味を帯びており、今後の決算シーズンも注目が集まります。

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