生成AIの進化により、ChatGPTなどのAIチャットボットが検索の新たな選択肢として注目される中、グーグル検索が依然として強固な地位を維持しているという調査結果が発表されました。シティの調査報告をもとに、現在の検索エンジン市場の構図を整理します。
若年層の利用動向に変化も、グーグルは依然として「中核的な検索手段」
シティリサーチのアナリスト、ロナルド・ジョージ氏率いるチームは、米国におけるグーグル検索ユーザー2,400人を対象に調査を実施しました。その結果、全体の85%がグーグルを「中核的な検索エンジン」と答え、72%が「最初にアクセスする検索サイト」と回答しています。
年代別では、41〜55歳の88%がグーグルを中核検索として挙げた一方、14〜24歳ではその割合が83%とわずかに低下しており、若年層においてChatGPTやメタのFacebook、Instagramなど「代替的な検索体験」が浸透しつつあることも明らかになりました。
ChatGPTの利用は「商用」より「調査・研究」目的が中心
興味深いのは、ChatGPTなどAIエージェントの利用が「商用目的」よりも「調査・研究」目的に偏っているという点です。グーグル検索では、ショッピングが主要な利用目的として挙げられ、ショッピングや旅行などの機能が今も広く活用されていることが確認されました。
これは、広告事業を中心とするグーグルの成長にとって好材料です。実際、グーグル検索および関連サービスの売上は、アルファベット全体の収益の半分以上を占めています。
アルファベットの第2四半期決算にも注目が集まる
グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)は、7月23日に第2四半期決算を発表予定です。シティは今回の調査結果をもとに、「検索およびYouTubeを含むオンライン広告市場は堅調に推移している」との見方を示しており、今後の業績発表がこの見解を裏付けるかが注目されます。
AIの進化が検索行動に与える影響は今後さらに大きくなることが予想されますが、現時点ではグーグルが検索市場におけるリーダーの座を維持していることが明らかになった形です。
*過去記事 アルファベット GOOGL