バーティブ株下落は買いの好機?急落の背景を読み解く

  • 2025年7月11日
  • 2025年7月11日
  • BS余話

2025年7月10日、データセンター用インフラ機器大手のバーティブ・ホールディングス(VRT)の株価が6%近く下落しました。原因は、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)がAIサーバー向けの自社開発冷却システムを発表したことによるものです。

アマゾンの冷却システムが話題に

アマゾンはYouTube動画にて、「インロウ・ヒート・エクスチェンジャー(in-row heat exchanger)」と呼ばれる液体冷却システムを公開しました。この新技術は、AI処理などで高負荷となるデータセンターにおいて、新設・既存どちらにも導入可能としています。

この発表を受け、バーティブ株は7月10日に5.99%下落し、終値は120.68ドルとなりました。一方で、アマゾン株は小幅な変動にとどまりました。

ウォール街は懸念せず「売られすぎ」との声も

一部投資家には不安が広がったものの、アナリストの見方は楽観的です。オッペンハイマーのアナリストであるノア・ケイ氏は、バーティブの主力は冷却装置だけでなく、電源や制御装置を含む「データセンターインフラのワンストップ提供」であり、アマゾンの新製品はそれを脅かす存在ではないと分析しています。

さらに、ドイツ銀行のニコール・デブレース氏やエバコアISIのアミット・ダリヤナニ氏は、バーティブがアマゾンの新冷却システムの部品供給元となっている可能性も指摘しています。

株価下落は買いの好機か

ミーリアス・リサーチのスコット・デイビス氏は、過去の例から見てもアマゾン関連のニュースで一時的に競合企業の株価が下がることはよくあるとし、今回の下落も「絶好の買い場になりうる」と述べています。

バーティブ株は過去1年間で約30%上昇しており、過去3年間では1200%超という驚異的なリターンを記録しています。AIインフラの需要拡大が続く中、今回の株価調整は長期投資家にとって注目すべき局面かもしれません。

*過去記事「注目のファンドマネージャーが選ぶ、AI時代の“隠れ10倍株”7選

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