インテル株が急騰、背景に大規模レイオフ計画

  • 2025年7月9日
  • 2025年7月9日
  • BS余話

米半導体大手のインテル(INTC)が、米オレゴン州で大規模な人員削減を実施することが明らかになりました。これは、同社が進めている全社的なレイオフ計画の一環であり、最終的には全従業員の約20%が対象になると見込まれています。

オレゴン州で529人を恒久的に削減

インテルが規制当局に提出した書類によると、今回の人員削減は7月15日から開始され、オレゴン州アロハおよびヒルズボロにある拠点で合計529人が恒久的に解雇される予定です。これに先立ち、カリフォルニア州サンタクララの本社でも107人の削減が実施されています。

新CEOのもとでコスト削減と効率化を推進

今年4月に就任したリップ・ブー・タンCEOのもと、インテルは構造改革とコスト削減に乗り出しました。同社はこれまでに全体の削減人数を正式には公表していませんが、ブルームバーグによれば、内部関係者の話として「2割超の人員削減」が計画されていると伝えられています。

株価は発表後に7.2%上昇

今回のレイオフ発表を受けて、インテルの株価は8日の米国市場で7.2%上昇し、終値は23.59ドルとなりました。2025年に入ってから同社の株価はすでに18%近く上昇しています。

AIブームに乗り遅れたインテル、再建への道

インテルはここ数年、半導体製造の技術的優位性を失い、エヌビディア(NVDA)などにAI関連分野での主導権を奪われてきました。タンCEOのもとで同社は、よりシンプルで迅速かつ効率的な組織を目指し、「エンジニアの力を引き出す体制づくり」を進めていると説明しています。

ヒルズボロ拠点の重要性と地域経済への影響

ヒルズボロはポートランド郊外に位置し、インテルにとっては重要な研究・製造拠点です。同社は同地域最大の雇用主でもあり、今回のリストラが地域経済に与える影響も小さくないと見られています。


このように、インテルのリストラは単なるコスト削減にとどまらず、同社の未来を左右する重要な経営判断として注目されています。半導体業界の構造変化が進む中で、インテルが再び技術革新の最前線に戻れるのか、今後の動向が注目されます。

*過去記事「インテル株が急落!決算好調も見通しに失望、CEO交代で何が変わるのか?

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