エヌビディア株は次のステージへ―ロボット革命が火をつける

2025年7月、米国株市場において、人工知能(AI)関連の筆頭銘柄であるエヌビディア(NVDA)の株価は再び上昇基調にあります。7月4日の休場前には1.33%上昇し、時価総額は3.89兆ドルに到達。これは、2024年12月にアップル(AAPL)が記録した史上最高の3.195兆ドルを上回る水準に迫っています。

この株価上昇は、単なるAIブームの延長線上にあるものではなく、新たな成長分野「ロボティクス」への期待が大きな要因となっています。

ジェンスン・フアンCEOが描く「ロボット産業」の未来

エヌビディアのCEOジェンスン・フアン氏は、以前からロボティクスを次なる巨大市場と位置づけてきました。2025年6月、パリで開催されたカンファレンスにて、フアン氏は次のように語りました。

「ヒューマノイド・ロボティクスは、かつてないほど巨大な産業になる可能性がある」

このビジョンを裏付けるように、エヌビディアはスウェーデンの産業技術企業ヘキサゴンと共同で、新型ヒューマノイドロボット「AEON(イーオン)」を発表。SFの世界のような話ではなく、実用的な技術として注目を集めています。

自動運転とロボティクス部門、売上は4倍以上に拡大か

ファクトセット調べによるアナリスト予測では、エヌビディアの自動運転およびロボティクス事業の年間売上は、現在の17億ドルから2030年代初頭には75億ドルまで拡大すると見込まれています。フアン氏の構想が現実味を帯びれば、この予測はさらに上方修正される可能性があります。

とくに、AIを活用したロボティクス技術は、企業の自動化ニーズを支える重要なインフラとして、今後ますます需要が高まると予想されます。

輸出規制の逆風を克服、2025年も株価は堅調

2025年初頭には、米国政府による対中半導体輸出規制の影響でエヌビディア株が一時的に売られる局面もありました。しかし、関税に対する市場の懸念が後退するにつれて株価は回復し、年初からの上昇率はすでに19%に達しています。エヌビディアは再び、世界で最も時価総額の高い企業としての地位を確保しています。

第3四半期は穏やかでも、第4四半期に期待高まる

過去の株価データを見ると、エヌビディアの第3四半期の平均上昇率は4%と比較的落ち着いた推移ですが、第4四半期は好調で、平均して23%の上昇が記録されています。年末にかけては、新たな材料やロボティクス関連の発表が相場のカタリストとなる可能性があります。


AIに続く次なる成長領域としてロボティクス市場が注目される中、エヌビディアは技術革新と業績拡大の両面で先頭を走っています。今後のロボティクス関連の展開は、株主にとっても重要な投資判断の材料となりそうです。

*過去記事「エヌビディアが切り拓くロボティクス革命:次のAI成長戦略とは

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