ロビンフッド、S&P500入りは時間の問題か?時価総額が示す未来

  • 2025年7月4日
  • 2025年7月4日
  • BS余話

2025年7月、オンライン証券企業のロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は、S&P500への採用を逃したにもかかわらず、その時価総額はすでに多くの構成銘柄を上回っています。7月2日時点の終値ベースでロビンフッドの時価総額は約865億ドルに達しており、シグナ(CI)、CVSヘルス(CVS)、デル・テクノロジーズ(DELL)、エアビーアンドビー(ABNB)、3M(MMM)といった名だたる企業よりも大きくなっています。

S&P500に選ばれたのはデータドッグ

今回のS&P500の構成銘柄入れ替えでは、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)によるジュニパーネットワークスの買収完了に伴い、新たにデータドッグ(DDOG)が採用されました。データドッグの時価総額はロビンフッドの半分ほどですが、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは同社を選出。これにより、データドッグの株価は翌日7月3日の米国市場で約14.92%も急騰しました。一方で、ロビンフッドの株価は3.65%下落しました。
*関連記事「S&P500にサプライズ採用!データドッグがロビンフッドを押しのけて選出

オープンAIとの関係否定が株価に影響

ロビンフッドの株価下落には、オープンAIとの間での認識違いも影響しています。ロビンフッドは最近、オープンAIトークンの提供を発表しましたが、オープンAIはX(旧Twitter)で「我々はロビンフッドとは提携しておらず、関与も承認もしていない」と表明。さらに「このトークンはオープンAIの株式ではない」と明言しました。

これに対してロビンフッドのCEOであるブラッド・テネフ氏は、「技術的には株式ではないが、一般投資家がプライベート資産へのエクスポージャーを得られる仕組みである」と反論しています。

仮想通貨やトークン化機能で株価は依然好調

それでもロビンフッドの株価は2025年に入ってから上昇基調が続いています。同社が新たに暗号資産や資産のトークン化機能を発表したことで、投資家の関心が再燃。株価は年初来で2倍以上に達し、過去最高値を更新中です。特に個人投資家の間で株式やビットコインなどのリスク資産に対する熱意が高まっており、その流れがロビンフッドの株価を押し上げています。

また、「ロビンフッドが近くS&P500に採用されるのではないか」といった思惑も、投資家心理を後押ししています。

S&P500入りは“時間の問題”か

過去の例を見ても、大型企業であってもS&P500入りまでに時間がかかることは珍しくありません。2020年9月にはテスラ(TSLA)がエッツィー(ETSY)に後れを取りましたが、同年12月に正式に採用され、現在では世界有数の時価総額を誇る企業に成長しました。一方、先に採用されたエッツィーは2024年にS&Pスモールキャップ600に降格されました。

また、2025年3月にはロビンフッドのライバルであるコインベース・グローバル(COIN)の採用が噂されていましたが、選ばれたのはドアダッシュ(DASH)、ウィリアムズ・ソノマ(WSM)、TKOグループ(TKO)などでした。とはいえ、コインベースは5月にS&P500入りを果たし、株価は発表直後に25%近く急騰しました。

ロビンフッドの将来的なS&P500入りは濃厚

S&P500の構成銘柄は、合併や株価の変動などにより頻繁に入れ替わります。現在のロビンフッドの規模と成長性を踏まえると、S&P500入りは時間の問題と見られています。そして、実際に採用された際には、インデックス連動型のファンドやETFによる買いが入り、株価がさらに上昇する可能性もあります。

ロビンフッドはすでにS&P500構成銘柄の大半を上回る時価総額を有しており、今後の動向に注目が集まります。

*過去記事「ロビンフッド、株式トークン化で再び最高値を更新

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