テスラ、第2四半期の納車台数が市場予想にほぼ一致し株価反発

2025年7月2日、米国電気自動車大手のテスラ(TSLA)は、第2四半期の納車台数が市場予想をわずかに下回ったものの、おおむね予想に沿った結果となり、株価が大きく反発しました。ここ数週間にわたり欧州や中国での販売減少懸念が強まり、投資家の間で不安が高まっていましたが、今回の発表によって一定の安心感が広がったかたちです。

欧州・中国での販売懸念を払拭

複数の報道で欧州と中国における販売低迷が指摘されていた中、テスラは第2四半期に384,122台の電気自動車を納車したと発表しました。これは前年同期の444,000台から減少したものの、ファクトセット調べによる市場予想の387,000台に近い水準でした。また、第1四半期の336,681台からは明確に増加しています。

この結果について、ウィリアム・ブレアのアナリストであるジェッド・ドースハイマー氏は「市場はもっと悪い数字を恐れていた。需要が急減しているのではなく、成長が減速しているという受け止め方になる」と分析しています。

ロボタクシー戦略が今後の焦点に

テスラ株はこの発表を受けて4%以上上昇し、6日続落していた流れを反転させました。今後の株価の行方について、ウォール街ではロボタクシーの展開状況が大きなカギになると見られています。

ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏によると、表向きの予想とは別に、市場の「ささやき予想(whisper number)」は約365,000台であったとのことです。今回の実績はこれを上回っており、ポジティブなサプライズと受け止められています。

中国と欧州での6月販売が下支え

RBCキャピタルのトム・ナラヤン氏は、第1四半期はモデルYの改良にともなう世界的な生産停止があったことから、第2四半期は増加が見込まれていたとコメントしています。また、6月の販売が中国と欧州で好調だったことが、全体の納車台数を支えたと指摘しています。

中国乗用車協会が同日発表した推計によると、テスラの6月における中国での販売台数は71,599台で、前年同月比0.8%の増加となりました。ただし、中国全体の新エネルギー車販売は約30%増とされており、テスラの成長率は市場平均を下回っています。

生産台数と今後の決算予定

テスラは同四半期に410,244台を生産したと発表しました。これは前年同期の410,831台とほぼ横ばいです。同社はあわせて、第2四半期決算を7月23日(米東部時間)に発表するとし、当日午後5時30分からアナリスト向けのカンファレンスコールを行う予定です。

なお、ファクトセットによるとアナリスト予想では、調整後1株当たり利益は43セント、売上は228億4,000万ドルが見込まれています。前年同期の調整後利益52セント、売上255億ドルと比較すると、減少が予想されています。

テスラ株は年初来で22%下落中

2025年に入ってから、テスラ株は22%の下落を記録しています。一方、S&P500指数は同期間に約6%上昇しており、テスラは市場平均に対して大きく出遅れています。

今後は、ロボタクシーの実用化や新たなAI機能の発表など、将来の成長ストーリーが再評価されるかどうかが注目されます。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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