米国のテクノロジー大手、マイクロソフト(MSFT)は7月2日、世界全体の従業員の約4%にあたる9,000人を削減することを明らかにしました。これは、2025年5月に実施された6,000人のレイオフに続く大規模な組織再編です。
AI投資と人員削減の関係
マイクロソフトは、2026年度の会計年度が始まったばかりのタイミングで、再び人員整理を進めています。背景には、AI関連への大規模な投資があり、特にデータセンター分野での支出が増加しています。D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は、「マイクロソフトはコスト管理に注力しており、AIによる生産性向上で従業員数の増加を抑えている」と分析しています。
AIが人を置き換えるわけではない?
RBCキャピタル・マーケッツのリシ・ジャルリア氏は、「今回のレイオフをAIによる代替と解釈するのは早計」と述べています。マイクロソフトはAIによって一部の業務を効率化しているものの、あくまで目的はリソースの最適配分であり、特にAI人材の確保が重要視されています。
ダイナミックな市場に対応する組織改革
マイクロソフトは「変化の激しい市場環境で成功するために必要な組織変更を進めている」との声明を発表しました。AI時代における競争優位性を維持するには、人材配置やコスト構造の見直しが避けられないという姿勢がうかがえます。
今後の株価への影響
今回のレイオフ発表を受けて、マイクロソフトの株価は2日の米国市場わずかに0.2%下落しました。市場では長期的な成長戦略の一環と捉える見方も強く、AI関連の収益拡大が期待されています。
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