台湾積体電路製造(TSMC、2330)のAIチップ事業は、今後数年間で急速に成長する見通しです。米証券会社ニーダムのアナリストであるチャールズ・シー氏は、TSMCの米国預託証券(ADR)に対して「買い」評価を継続し、目標株価を従来の225ドルから270ドルへ引き上げました。
TSMCの株価は7月1日の米国市場で0.8%減の224.68ドルなりましたが、年初来で12%上昇しています。
エヌビディアの需要がTSMCのAI売上を後押し
シー氏は、TSMCのAI関連の売上が2025年の260億ドルから、2026年には330億ドル、2027年には460億ドルに増加すると予測しています。この成長の主な原動力として、エヌビディア(NVDA)による毎年の新型AIチップ需要を挙げています。
TSMCは、AI分野を含む高性能半導体製造で市場をリードしており、エヌビディアの最新GPUをはじめとするAI向けチップの主要な製造パートナーです。
半導体の基盤企業としてTSMCを中核投資先に
シー氏は「TSMCのファウンドリビジネスは、今後数年間にわたって競合他社からの挑戦を受ける可能性は低く、事業基盤は一層強固になる」と述べています。加えて、「半導体はデジタル経済拡大の土台であり、その中核としてTSMC株を保有することを推奨する」としています。
TSMCは、エヌビディアだけでなく、アップル(AAPL)のiPhone向けプロセッサ、クアルコム(QCOM)のモバイルチップセット、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のプロセッサも製造しており、世界中の主要テクノロジー企業にとって不可欠な存在となっています。
TSMCは長期投資家にとって有力な選択肢
TSMCは、AI市場の成長に直接連動する数少ない製造企業であり、現在のテクノロジー主導型の強気相場においても注目度が高まっています。半導体分野への中長期的な投資を考えている投資家にとって、TSMCは引き続き魅力的な選択肢といえます。
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