テスラ「サイバートラック」の未来は意外と明るい?バロンズの記事を読み解く

2025年6月末、米投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」に、バトル・ロード・リサーチ社のアナリストであるベン・Z・ローズ氏がテスラのピックアップ型電気自動車「サイバートラック」について興味深いレポートを寄稿しました。この記事ではその要点を紹介します。

サイバートラックはもう見かける車に

記事によると、ローズ氏はボストン郊外で短時間のうちに2台のサイバートラックを目撃したといいます。かつては異端視されたこの未来的なデザインも、徐々に日常の風景になりつつあるようです。実際、調査会社Cox Automotiveの推計では、2024年に約3.9万台のサイバートラックが販売されたとのことです。

これはEVピックアップ市場において36%のシェアを占め、フォードのF-150ライトニング(約3.3万台、31%)を上回る規模です。初年度からこの販売実績は、少なくとも市場に受け入れられつつある証拠といえそうです。

リコールもあるが、対応力で勝負

サイバートラックはリコールの報道も多くありますが、EV時代のリコールは過去とは異なります。テスラはソフトウェアのアップデートで多くの問題に対応しており、例えばフォントサイズやカメラ表示などはOTA(Over The Air)で修正済みとのこと。もちろん物理的な修理が必要なケースもあるものの、フォードやリヴィアンも同様にリコールを経験しています。

テスラの強みはガソリン車を持たないこと

GMやフォードは、従来のガソリン車で高いシェアと収益を維持しています。そのため、EVシフトは既存の利益構造を壊しかねず、積極的に普及を進めにくい面があります。その点、テスラはEV専業メーカーであり、他のモデルの販売とカニバリゼーションする恐れがないことが大きなアドバンテージです。

より手頃なサイバートラックが登場する可能性も

現在最も安価なモデルは「ロングレンジ後輪駆動モデル」で、価格は約7万ドル(税控除対象)。今後、5万ドル台の廉価モデルが登場する可能性も示唆されており、テスラのモデル3やモデルYが高価格モデルの下位互換として成功してきた歴史からも、それは現実味のある戦略です。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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