天然ガス×AI時代の本命銘柄?──キンダー・モルガンをバロンズが高評価

投資情報誌『バロンズ(Barron’s)』は6月25日、「Buy Kinder Morgan Stock. Natural Gas and AI Are a Potent Combination.(キンダー・モルガン株を買え──天然ガスとAIは強力な組み合わせ)」と題した記事を掲載しました。

この記事では、米パイプライン大手キンダー・モルガン(KMI)が、生成AIの爆発的な電力需要を背景に、天然ガス需要の恩恵を受ける「新たなインフラ銘柄」として注目されていると分析されています。

本記事では、そのバロンズの報道内容を要約・紹介しつつ、投資家が注目すべきポイントを整理します。


バロンズが注目する3つの投資材料

① AIと天然ガスの意外な接点
バロンズは、データセンターの爆発的な電力需要が天然ガス発電の必要性を高めている点を強調しています。特に、原子力や再エネでは対応しきれない即時対応性を持つ天然ガスは、AI時代において重要な役割を担うとの指摘です。

② キンダー・モルガンの地理的優位性
記事では、テキサスからアリゾナへと伸びるパイプライン網など、キンダー・モルガンの既存資産がデータセンター開発と重なっている点を評価。パイプライン新設が難しい中、既存インフラを活用できる同社の競争力に注目しています。

③ 政策追い風と堅調な財務基盤
バロンズは、トランプ政権によるLNG許可政策の緩和や、インフラ促進方針がパイプライン事業に有利に働くと指摘。さらに、同社の営業キャッシュフローは年間32億ドルの設備投資と26億ドルの配当を十分に賄える水準であり、配当利回りは4.1%と魅力的です。


バロンズの評価と目標株価

記事内では、バンク・オブ・アメリカのアナリストが目標株価を32ドルに引き上げたことも紹介されています。2025年6月25日時点の終値は28.31ドルであり、さらなる上昇余地があると見られています。

また、バロンズは2025年のEPS(1株利益)が前年比10%以上増の1.27ドルと予測されていることを紹介、業績面からの評価も堅調だとしています。


LNGと中国リスク──バロンズの見解

LNGに関しては、中国との貿易摩擦が懸念されるものの、バロンズは欧州やアジアの需要の高さがそれを上回っていると指摘しています。加えて、「中国が米国産LNGを輸入していなくても、他地域の需要が補っている」とのコメントを紹介。市場の懸念は過剰だと報じています。


まとめ:AI時代の「インフラ株」として再評価を

バロンズは、キンダー・モルガンがAI時代の成長に欠かせないインフラの一角を担う存在であると位置づけています。電力不足が叫ばれる中、天然ガス供給を担う同社のような企業は、今後10年のAI・エネルギー投資テーマの中心に位置する可能性があります。

*過去記事「高成長+高配当=キンダー・モルガン!エネルギー株投資の最適解

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