2025年、米国ではエネルギー政策が大きく転換しつつあります。特に注目されているのが「ウラン」と「原子力発電」です。マーケットウォッチの最新記事によれば、トランプ大統領による規制緩和と中国との地政学的な競争が、ウラン価格と関連株の上昇を後押ししています。
本記事では、そのマーケットウォッチの記事を紹介しながら、ウラン関連株に関心のある投資家にとって注目すべきポイントと、代表的な銘柄を整理してご紹介します。
米国の政策転換とウラン供給のひっ迫
2025年6月、ニューヨーク州知事が15年ぶりに1ギガワット規模の原子力発電所建設を発表したことが大きな話題となりました。これに加え、トランプ政権がウランを「重要鉱物」に指定し、国防生産法を発動したことにより、米国内での採掘や供給確保が急ピッチで進められようとしています。
一方で、世界のウラン需要はすでに供給を上回っており、2030年には年間2億3,000万ポンドものウランが必要になると予測されています。これは現在の生産量よりも大幅に多く、構造的な供給不足の懸念が広がっています。
中国の先行と技術革新
マーケットウォッチの記事では、特に中国の原子力戦略にも注目しています。中国は現在、世界で建設中の原発の半数を占め、先進的な「第4世代原子炉」の開発でも他国をリードしています。さらに、海水からウランを効率的に抽出する技術を確立しつつあり、資源確保においても優位に立っています。
注目のウラン関連銘柄・ETF 7選
記事では、次のような投資対象が紹介されています:
- グローバルX ウランETF(URA)
ウラン関連企業全般に広く分散投資できるETF。 - スプロット・フィジカル・ウラン・トラスト(SRUUF)
ウラン現物価格への純粋な連動を狙う投資家向け。 - カメコ(CCJ )
カナダ拠点の大手ウラン生産企業で、信頼性が高い。
*過去記事「ウラン市場の主役、カメコに注目:原子力再興で再び脚光」 - カザトムプロム
カザフスタンの世界最大のウラン生産企業。地政学リスクはあるが低コスト。 - ウラン・エナジー(UEC)
米国を拠点とする新興のウラン企業で、政策恩恵が見込まれる。 - エナジー・フューエルズ(UUUU)
採掘・製錬まで手掛けるフルバリューチェーン企業。 - ニュースケール・パワー(SMR)
小型モジュール炉(SMR)を開発する革新的企業。値動きは大きいが、将来性も高い。
投資判断のヒント
マーケットウォッチの論調では、ウラン投資は「逆張り」ではなく「必然」として位置づけられています。エネルギー安全保障、気候変動、地政学リスク、供給不足という複数の要因が同時に作用している中、原子力とウランは避けて通れない存在になりつつあるのです。
投資家にとっては、今こそ「構造的な上昇トレンド」の入り口であり、早期にポジションを取る絶好のタイミングかもしれません。