2025年6月24日に米投資情報メディア「マーケットウォッチ」に掲載された記事で、著名ファンドマネージャーのジョン・バー氏が選ぶ「割安で将来性の高いAI・テック株7選」が紹介されました。本記事では、その内容を要点を絞って紹介し、読者の皆さまが新たな投資アイデアを得るための参考としてお届けします。
市場の不確実性に動じない戦略
NEAGX(Needham Aggressive Growth Fund)の運用者バー氏は、マグニフィセント・セブン(アップルやエヌビディアなど)への依存度が低いにもかかわらず、過去5年間でライバルファンドや市場平均を大きく上回るリターンを達成しています。
その成功の背景には、以下の3つの戦略があると述べられています。
- AIやデータセンターなど、長期トレンドを見据えた銘柄選定
- 半導体の複雑化や米国回帰(リショアリング)といった構造変化への着目
- 市場で注目されていない「隠れた成長株(hidden compounders)」の発掘
注目の7銘柄とその特徴
以下は、バー氏が注目する代表的な割安テック・AI関連株です。
バーティブ・ホールディングス(VRT)
データセンターの冷却装置や電源設備など、AIインフラの中核を担う企業。1946年創業の老舗で、今後もAI需要の拡大による恩恵が期待されています。
*過去記事「バーティブが急騰:AI需要の高まりで通期売上高見通しを上方修正」
フォームファクター(FORM)
半導体製造工程に欠かせない「プローブカード」の大手企業。高帯域メモリやAIチップ関連での需要増が追い風。
*過去記事「半導体製造装置株が割安に!シティが注目する「成長期待の5銘柄」とは」
カムテック(CAMT)
半導体検査装置メーカー。最新製品「Eagle G5」「Hawk」により高性能AIチップ製造に貢献。
*過去記事「AI需要に支えられたエヌビディアとそのサプライチェーン—隠れた成長株カムテックの活躍」
PDFソリューションズ(PDFS)
製造工程における不良率の低下や歩留まり向上を支援するデータ分析ソリューションを提供。創業者主導の経営も魅力。
アルテリス(AIP)
SoC(システムオンチップ)内の通信技術を提供。AI・EV向けの高性能半導体に不可欠な技術で、今後の成長が期待されています。
ビシェイ・インターテクノロジー(VSH)
工場の自動化やAI向けに、電子部品やパワー半導体を供給。メキシコや英国での新工場建設も注目材料。
コグネックス(CGNX)
「機械の目」とも言える画像認識技術で、工場や倉庫の自動化を支える企業。eコマース拡大の恩恵も見込まれています。
AIバブル懸念への冷静な視点
一部では「AIはバブル」との声もありますが、バー氏は「AIはまだ初期段階」との見解を示しており、冷静かつ中長期的な視野を持った投資姿勢が重要であることを再認識させられます。
まとめ
本記事で紹介した7銘柄は、いずれも派手さはないものの、AIや製造業の変革を支える「縁の下の力持ち」として評価されています。大手企業の陰に隠れがちなこれらの企業こそ、今後10倍株(テンバガー)に成長する可能性を秘めているかもしれません。