AI関連ETFが最高値更新、再び「AIトレード」に注目集まる

2025年に入り一時は調整局面を迎えたAI関連株ですが、ここにきて「AIトレード」が再燃しています。その象徴ともいえるのが、GlobalX人工知能&テクノロジーETF(AIQ)です。このETFは2025年の年初から4月8日までに18%下落していましたが、その後は一転して37%上昇し、6月24日には史上最高値となる43.10ドルで取引を終えました。

構成銘柄85社の中で急騰したのは?

このETFは、中国のテンセント・ホールディングス(700)からサウンドハウンドAI(SOUN)まで、合計85銘柄で構成されています。テンセントの構成比率は3.9%で、サウンドハウンドはわずか0.2%にすぎませんが、構成銘柄の中には大きく株価を伸ばした企業もあります。

4月8日以降で特に目立った値動きを見せたのが、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)オラクル(ORCL)ブロードコム(AVGO)の3社です。それぞれの株価は、同期間中に81%、66%、63%の上昇を記録しています。

エヌビディアとAIセンター投資ブームの転換点

2024年にAIデータセンターへの投資が活発化したことで、エヌビディア(NVDA)の株価は1年で171%も上昇しました。しかし、2025年1月に中国のディープシークが低コストなチャットボットを発表したことで、AIモデルのコスト構造が見直されることになり、エヌビディア株は年初から4月初旬にかけて28%下落していました。

この下落トレンドに変化が生じたのが、4月9日のトランプ大統領の発表です。前週に発表されていた高関税の一部を撤回すると発表したことで、投資家心理が一気に回復。S&P500指数はその日以降で21%上昇し、エヌビディア株も54%の急回復を見せました。

ビッグテック各社の積極投資が追い風に

AI関連株の見通しが再び明るくなった背景には、ビッグテック企業による積極的な設備投資計画の存在があります。アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)といった企業は、4月から5月にかけて行われた第1四半期決算発表において、AIデータセンターへの資本支出を今後も拡大していく方針を改めて強調しました。

メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で、「業界全体での進化のスピードと、私たちに広がる機会は驚くべきものだ。今年中にいくつかの計画を前倒しし、長期的な柔軟性も確保するため、設備投資をさらに増やす決断をした」と述べています。

この発言は、AI関連銘柄に投資している市場参加者にとって大きな安心材料となりました。

まとめ:AIブームは終わっていない

年初には投資家の間で不安が広がったAI関連銘柄ですが、今では再び注目が集まっています。トランプ大統領の政策転換、ビッグテック各社の設備投資の継続、そしてエヌビディアの株価反発が、「AIトレード」の復活を印象付ける材料となりました。

2025年後半も、AI関連株が市場の注目テーマであり続ける可能性が高そうです。

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