2025年第2四半期の米国株市場は、関税政策の急変や中東の地政学リスクといった要因により、大きく揺れ動いています。しかし、そのような不安定な環境下でも、大きな上昇を遂げた銘柄が存在します。中でも、暗号資産取引所のコインベース(COIN)やAIソフト開発のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、4月以降50%超の上昇を記録しています。
この記事では、2025年4月2日以降に50%以上株価が上昇した米国株6銘柄を紹介するとともに、そこから読み取れる投資戦略のヒントについて解説します。
トランプ大統領の関税発動とその影響
2025年4月2日、トランプ大統領は「相互関税」政策を発動し、世界経済に波紋を広げました。その後、米国は方針を二転三転させつつも、最終的には複数の大型通商協定を締結する流れとなりました。
その間、米国市場は混乱状態にありましたが、一部の銘柄は逆風をものともせず上昇しています。
50%以上上昇した注目の6銘柄
以下は、2025年4月2日以降、S&P500の+5.5%という上昇率を大きく上回った6銘柄です。
- コインベース(COIN):暗号資産取引の需要拡大とともに+60%以上の上昇。
*「コインベースがついにS&P500入り!暗号資産ブーム再燃か?最新情報まとめ」 - パランティア・テクノロジーズ(PLTR):AIを活用した政府・企業向け分析ソフトが評価され、株価は+50%以上。
*「パランティア株が再び最高値更新 AI・防衛需要で急騰続く」 - シーゲート・テクノロジー(STX):AI関連のデータ保存需要が高まり、上昇基調に。
- GEベルノバ(GEV):エネルギー設備関連の事業が注目され、緩やかに上昇。
*「AIデータセンター急増で電力爆食!恩恵を受ける注目の米欧3社とは?」 - NRGエナジー(NRG):電力市場での安定した業績を背景に堅調。
*「AIとEVが電力を爆食い?急成長する天然ガス発電所への投資最前線」 - ジェイビル(JBL):AIチップ向け回路基板の設計が追い風となり株価上昇。
*「ジェイビルが好決算を発表、AI需要と米国製造拠点拡大が株価を後押し」
テーマ型投資は依然有効
今回の上昇銘柄に共通するのは、「AI」や「エネルギー」といった特定のテーマに関連していることです。特にシーゲート・テクノロジー、ジェイビル、パランティア・テクノロジーズは、生成AIやAIインフラの需要拡大の恩恵を受けています。
ただし、パランティアについては、一部のアナリストが「過熱感がある」として注意を促している点には留意が必要です。
急落局面で売らない勇気がリターンを生む
4月初旬の市場急落時にコインベースやパランティアを売却していた場合、その後の60%超の上昇を逃していたことになります。
この事例は、短期的な不安に流されて資産配分を大きく変えるのではなく、テーマ性のある銘柄に中長期で投資を続ける重要性を示しています。
地政学リスク下でも冷静な判断を
現在はイランとイスラエルの戦争が激化し、原油価格が上昇傾向にあります。インフレ再燃の懸念もある中で、投資家の心理は揺らぎやすい状況です。
しかし、このようなときこそ、焦ってポートフォリオを変更するのではなく、冷静に市場を見極めて保有株を維持することが、長期的には大きなリターンにつながる可能性があります。
不安定な時期こそ「握力」が問われる
市場が混乱しているときに大きく上昇する銘柄は、往々にして将来的なトレンドを先取りしているケースが多く見られます。コインベースやパランティアの例は、暗号資産やAIといったテーマに投資することの意義を改めて浮き彫りにしています。ノイズに惑わされず、握力を持って投資を続けることが、2025年相場を乗り切る鍵となりそうです。