“買い物も旅行もAI任せ”――AIエージェント時代に伸びる米国株トップ3

2025年、生成AIの進化は目覚ましく、チャットボットがユーザーの質問に対して会話形式で具体的な回答を提供することが一般化しています。企業のカスタマーサポートでは、より自然な会話が可能となり、業務効率化も進んでいます。しかし、次の進化として注目されているのが「AIエージェント」です。

チャットボット式の生成AIがユーザーの指示に応じてコンテンツを生成するのに対し、AIエージェントは「ユーザーに代わって行動する」ことを目的としたAIです。たとえば、スプレッドシートの入力、コード作成の補助、さらにはショッピングや旅行の意思決定まで代行するようになります。

エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも注目

エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOは、2025年5月の決算説明会でAIエージェントについて「曖昧かつ暗黙的な指示を理解し、問題解決を行い、ツールを活用し、記憶を持つことができる」と述べ、その革新性を強調しました。

AIが単に応答する存在から「実行する存在」へと進化する中で、インターネットの使い方自体が大きく変わりつつあります。

BofA証券が注目する恩恵を受ける銘柄

バンク・オブ・アメリカ証券のアナリスト、ジャスティン・ポスト氏は、AIエージェントによって消費者のインターネット利用行動が大きく進化すると指摘しています。同氏は今後、以下のような変化が起きると予想しています。

  • ユーザーが複数のサイトを閲覧する必要がなくなる
  • 価格、送料、支払い条件などを総合的に考慮したパーソナライズされた購入提案がなされる
  • 購買にかかる時間と手間が削減され、離脱率も低下する

アマゾンはワンストップショッピングの中心に

特に恩恵を受けると考えられているのがアマゾン(AMZN)です。ポスト氏は「AIエンジンがより“認識的”になることで、価格や品揃え、配送スピードの差異が一層重要になる」とし、プライム会員制度による囲い込みと、他サイトからも購入可能なワンストップショッピング・エージェントの構築がアマゾンに有利に働くと分析しています。

ブッキング・ホールディングスは旅行代理AIの中心に

また、オンライン旅行業界においては、ブッキング・ホールディングス(BKNG)が特に有望とされています。ポスト氏は「AIエージェントは、旅行計画から予約、さらには旅行中のサポートまでを担う“パーソナルトラベルエージェント”となる可能性がある」と述べています。

生成AIチャットボットが旅行プランの作成を補助する一方、AIエージェントはより深く関与し、個別の予約判断やプロセスの自動化までをカバーすることが期待されています。

特に、OperatorのようなAI企業が旅行予約を代行する際に、ブッキング・ホールディングスのような大手旅行サイトが提供する豊富な在庫とデータが不可欠になると予想されています。

AIエージェントの進化が変える消費体験

今後のインターネット体験は、AIが単なる道具ではなく「代行者」として機能する世界へと進みつつあります。これにより、EC、旅行、業務効率などあらゆる領域での変化が加速する見込みです。

この変化の波にうまく乗る企業として、エヌビディア、アマゾン、ブッキング・ホールディングスといった銘柄は、今後も投資家から注目される存在となるはずです。

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