2025年6月17日、電子部品の製造受託サービス(EMS)を提供するジェイビル(JBL)が発表した第3四半期決算は、アナリスト予想を大きく上回る好内容となりました。加えて、クラウドおよびAIインフラ需要の高まりを背景に、今後数年間で米国南東部への製造投資を行う計画を発表し、17日の米国市場で株価は12%近く上昇しました。
ジェイビルは、フロリダ州セントピーターズバーグに本社を置く米国企業で、世界中の大手企業に対して設計・製造・供給チェーン管理まで一貫したサービスを提供しています。クラウドインフラ、自動車、医療機器、産業用機器など多様な分野に強みを持ち、近年はAI関連ハードウェア需要の受け皿として注目されています。
売上と利益ともに予想超え、通期見通しも上方修正
ジェイビルの第3四半期(2025年3〜5月)決算によると、調整後1株利益は2.55ドルと、ウォール街の予想2.31ドルを大きく上回りました。売上は78億ドルで、こちらも予想の71億ドルを上回る結果となりました。
これを受けて、通期の業績見通しも上方修正され、売上は従来の279億ドルから290億ドルへ、調整後1株利益は8.95ドルから9.33ドルへと引き上げられました。
AI・クラウド分野の成長が業績をけん引
CEOのマイク・ダストール氏は声明の中で、「クラウド、データセンターインフラ、資本設備といった主要エンドマーケットで予想を上回る成績を収めた」と述べました。特にAIインフラ需要の加速が、同社の「インテリジェント・インフラストラクチャー」部門の成長を支えているとしています。
米国南東部に新工場、5億ドル規模の投資計画も発表
好決算の発表と同日に、ジェイビルは米国南東部に約5億ドル規模の製造投資を行う計画も発表しました。この投資はクラウドおよびAIデータセンター向けインフラの需要拡大に対応するもので、新工場の建設が含まれます。工場は2026年半ばには稼働を開始する予定です。
この発表を受け、ジェイビルの株価は11.8%上昇し、終値ベースで過去最高値となる202ドルで取引されており(米国東部夏時間12:44現在)、この日、S&P500指数構成銘柄の中で最大の上昇率を記録しています。
まとめ:ジェイビル株は今後も注目か
クラウドやAIといった成長分野に対応する製造能力を拡大しつつあるジェイビルは、ハードウェア面でのAI需要の拡大を取り込む数少ない企業の一つです。堅調な業績と前向きな投資姿勢から、今後も投資家の注目を集める可能性があります。