6月17日(火)の米国株式市場は中東情勢の緊張とドナルド・トランプ大統領の発言により、大幅な下落を見せました。イスラエルとイランのミサイル応酬に加え、再生可能エネルギー関連の税制優遇措置が段階的に廃止される見通しとなったことで、特定銘柄が大きく売られました。
以下は、17日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
ヴァーヴ・セラピューティクス (VERV)
株価変動: +81.50%
詳細: ヴァーヴ・セラピューティクスは、遺伝子編集を活用して心血管疾患を根本から治療することを目指すバイオテクノロジー企業です。大手製薬会社イーライ・リリーが最大13億ドルで買収する方針を発表し、株価が急騰しました。買収は1株10.50ドルで約10億ドルが即時支払われ、残り3億ドルは臨床成果に応じて支払われます。
ジェイビル (JBL)
株価変動: +8.89%
詳細: ジェイビルは電子機器の設計・製造を手がけるEMS(電子製造サービス)大手企業です。四半期業績が市場予想を上回り、通期の見通しも上方修正されたことに加え、米国内での新たな製造投資を発表し、投資家の信頼を集めました。
*関連記事「ジェイビルが好決算を発表、AI需要と米国製造拠点拡大が株価を後押し」
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)
株価変動: +0.56%
詳細: AMDは高性能半導体の開発・製造を行う企業で、特にAI処理向けGPUやCPUで知られています。新たなAIチップ「Instinct MI350シリーズ」が発表され、競合のエヌビディアに対抗する存在として期待されており、株価は堅調に推移しました。
イーライ・リリー (LLY)
株価変動: -2.02%
詳細: イーライ・リリーはグローバルな製薬会社で、糖尿病やがん、神経疾患に対応する革新的な医薬品を提供しています。ヴァーヴ・セラピューティクス買収の発表を受けて、短期的なコスト負担を懸念した売りが入り、株価は下落しました。
パランティア・テクノロジーズ (PLTR)
株価変動: -2.27%
詳細: パランティアはAIベースのビッグデータ解析ソフトを提供する企業で、政府および商業分野に広く展開しています。直近の株価は過去12ヶ月で430%の上昇を記録しましたが、過熱感と高いバリュエーションへの懸念から反落しました。
テスラ (TSLA)
株価変動: -3.88%
詳細: テスラは電気自動車と再生可能エネルギー製品を手がける企業で、現在ロボタクシー事業に注力しています。6月22日のロボタクシー発表を控えていますが、アナリストの見解が分かれており、期待感の後退が株価の下押し圧力となりました。
TモバイルUS (TMUS)
株価変動: -4.14%
詳細: Tモバイルは全米に通信ネットワークを展開する大手携帯通信事業者です。筆頭株主であるソフトバンクが約48億ドル相当の株式を売却したとの報道があり、需給悪化を懸念した売りが先行しました。
レナー (LEN)
株価変動: -4.46%
詳細: レナーは米国の大手住宅建設会社で、戸建住宅の建築・販売を手がけています。第2四半期決算で利益が市場予想を下回り、住宅販売価格の低下も響き、株価は下落しました。
ジェットブルー・エアウェイズ (JBLU)
株価変動: -7.88%
詳細: ジェットブルーは米国を拠点とする格安航空会社で、国内外の短中距離路線を展開しています。旅行需要の減退により、コスト削減と運航便数の削減を発表したことで、業績懸念が強まりました。
ファースト・ソーラー (FSLR)
株価変動: -17.89%
詳細: ファースト・ソーラーは太陽光パネルの設計・製造を行う再生可能エネルギー企業です。税制優遇の後退を受け、投資家のセンチメントが悪化し、株価は急落しました。
エンフェーズ・エナジー (ENPH)
株価変動: -23.97%
詳細: エンフェーズはマイクロインバーター技術を用いた太陽光発電機器メーカーです。ファースト・ソーラーと同様に再エネ税制の見直しにより、事業の成長見通しに不透明感が強まり、株価が大幅下落しました。
サンラン (RUN)
株価変動: -40.04%
詳細: サンランは住宅用太陽光発電システムの設計・設置を行う企業です。米上院共和党による再生可能エネルギー税制の段階的廃止案を受け、大幅に売られました。
*過去記事 株価変動