ロク(ROKU)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)は2025年6月16日、広告主向けに米国最大規模の認証済みコネクテッドTV(CTV)視聴者データを提供する独占的パートナーシップを締結したと発表しました。アマゾンの需要側プラットフォーム「Amazon DSP」を通じ、約8,000万世帯――米国CTV世帯の80%以上――へターゲティング配信が可能になります。
具体的な仕組み
両社は共通の広告識別子を用いて視聴者を認証し、Prime Video、ロクチャンネル、Fire TVやその他主要ストリーミングアプリ上で視聴者を重複なく捕捉できます。これにより、
- 広告到達範囲と頻度の正確な管理
- デバイス横断のフルファネル測定
- Amazon DSP上での一元的なキャンペーン最適化
が実現します。
広告主が得られるメリット
- アドレサビリティの向上
ログイン情報に基づくデータ連携で、CTV広告でもIDベースのターゲティングが可能となります。 - 購買計測との連動
アマゾンのECデータとCTV視聴データをつなげることで、広告接触から購入までの効果測定が容易になります。 - メディアプランの簡素化
Roku OSとFire TV OSを一括で購入できるため、重複配信を避けつつリーチ拡大を図れます。
ロク株価への即時インパクト
提携発表を受け、ロク株は16日のプレマーケットで一時で11%上昇しました。ストリーミング広告在庫の価値向上と、アマゾンの販売力を取り込める点が投資家に好感されています。
コネクテッドTV広告市場への影響
米国CTV広告費は2025年に400億ドル規模へ拡大すると予測されています。今回の提携でCTV広告の「人ベース」計測が一段と進み、
- 旧来のテレビバイイングからCTV移行が加速
- 中小ブランドもパフォーマンス目的でCTVを採用
- プライバシー規制下でもIDベース広告が持続
といった波及効果が期待されます。
今後の注目ポイント
- 広告主の導入速度:年末商戦に向けてAmazon DSP経由のCTV投資がどれだけ拡大するか。
- プラットフォーム間連携の深化:将来的にTwitchやFreeveeなど、アマゾン傘下の他サービスにも連動が広がる可能性があるか注視されます。
- 第三者測定の整備:ComscoreやNielsenなど外部パネルとの連携が強まれば、広告効果の透明性が高まり、市場全体の信頼性向上につながると考えられます。
ロクとアマゾンのタッグは、CTV広告を「リーチ+効果測定」が両立する本格的なパフォーマンスチャネルへ押し上げる起爆剤となりそうです。
*過去記事はこちら ロク ROKU