ディア株に強気予想!アナリストが44%高の750ドルを目指す理由とは?

  • 2025年6月8日
  • 2025年6月8日
  • BS余話

2025年6月6日、米国の農業機械大手ディア(DE)の株価は前日比1.77%高の519.99ドルとなりました。株価上昇の背景には、メリウス・リサーチのアナリストであるロブ・ワースタイマー氏による投資判断の格上げがあります。同氏はディア株を「ホールド」から「買い」に引き上げ、目標株価を434ドルから750ドルへと大幅に上方修正しました。750ドルという水準は、現在のストリート予想の中でも最も高いもので、現在の株価から44%の上昇余地があることを示しています。

750ドルという強気予想の背景

ワースタイマー氏は、この750ドルという目標株価を2年後の達成を想定したものとし、一般的な12カ月予想よりも長期的な視点に基づいています。その根拠として、ディアの精密農業技術が農家に与える「変革的な価値」を挙げています。

精密農業とは、自動運転トラクター、植え付け・散布の精度向上、土壌モニタリングの高度化といった技術を活用し、農業の効率性と収益性を高める取り組みです。ディアの機器はソフトウェアによる機能のアップグレードが可能で、これにより継続的な収益を生むビジネスモデルが構築されています。

継続収益と評価倍率の見直し余地

ディアは2030年までに、部品やサービス以外の「継続的収益」で売上全体の10%を占めることを目標に掲げています。現在はその数%にとどまっていますが、今後の成長余地は大きく、テクノロジー企業と比較してもディアの技術力と参入障壁は極めて高いと評価されています。

これに伴い、市場からの評価倍率(PER)も見直される可能性があります。ディアの過去10年間の平均PERは約17倍で、S&P500平均の約20倍を下回っています。これはディアが景気や農業収入の影響を受けやすく、循環的な業績と見なされてきたためです。

アナリストの評価と今後の売上見通し

今回の格上げにより、ディア株を「買い」と評価するアナリストの割合は42%に増加しました。S&P500銘柄の平均「買い」比率(約55%)には及びませんが、今後の評価見直し余地があると見られます。現在のアナリストの平均目標株価は約533ドルです。

ディアの株価は過去1年間で約38%上昇しており、市場の成長期待も高まっています。ただし、2025年度の売上は農業所得の減少やコモディティ価格の低下を背景に、前年比15%減の380億ドルと予想されています。しかし、2026年には410億ドル、2027年には460億ドルへの回復が見込まれています。

農業のテクノロジー化をけん引するディアの存在感

ディアは従来の農業機械メーカーの枠を超え、ソフトウェアによる機能拡張を可能にする精密農業機器を提供することで、テクノロジー企業としての評価を高めています。強気なアナリスト予想や高い技術力を背景に、今後も中長期的な株価上昇が期待されます。

*過去記事「【最新アナリスト評価】リフトやホーム・デポなど注目6銘柄の買い判断まとめ!

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