スノーフレーク株が上昇、AI製品強化とUBSの格上げが追い風に

2025年6月4日、サンフランシスコで開催された「Snowflake Summit」での発表を受け、クラウド型データウェアハウス大手スノーフレーク(SNOW)の株価が上昇しました。先月、同社は四半期売上で初めて10億ドルを突破。今回のイベントでは、AI関連製品の強化や複数のアナリストによる格上げが注目を集めました。

UBSが「買い」に格上げ、目標株価は265ドルに

6月4日(水)の米国市場では、スノーフレーク株が1.4%上昇し、212.13ドルで取引されました(米東部夏時間13:15時点)。UBSのアナリストであるカール・キーステッド氏とジャック・ファイダ氏は、同社の投資判断を「買い」に格上げし、目標株価を210ドルから265ドルへと大幅に引き上げました。これは現在の株価から約25%の上昇余地がある水準です。

両氏はリサーチノートで「我々は出遅れたが、このデータ投資サイクルが続くなら、今からでも遅くはない」とし、企業のデータ関連投資が今後も活発に続くとの見通しを示しています。

AI関連新製品が投資家心理を刺激

スノーフレークは今回のサミットで、AI分野への取り組みを強化する新製品を発表しました。「Snowconvert AI」は他のデータベースからスノーフレークへの移行を自動化するツールであり、「Snowflake Intelligence」は非技術者でも既存データから洞察を得られるAIエージェントです。

UBSのアナリストは、過去半年間で企業が「生成AI導入に向け、自社データを整備し始めている」動きが明確になってきたとし、こうした流れはまだ始まったばかりであると指摘しています。

競争は激化するも、成長市場に期待

スノーフレークの最大の競合とされるデータブリックスも、来週に自社サミットを開催予定です。しかし、レイモンド・ジェームズのアナリストは「両社が共存できるだけの市場余地がある」として、スノーフレーク株に対する「アウトパフォーム(市場平均を上回る)」の評価を継続しています。

13人のアナリストが目標株価を引き上げ

調査会社ファクトセットによると、今回の投資家イベント後、13人のアナリストがスノーフレークの目標株価を引き上げました。全体では、50人のアナリストのうち40人が「買い」評価を付けています。

AI収益化には一部で慎重な見方も

一方で、すべてのアナリストが楽観的というわけではありません。グッゲンハイム証券は、スノーフレークの中核ビジネスであるデータウェアハウスおよび分析分野には信頼を寄せつつも、AIサービスの収益化については慎重な見方を示しています。

同社はリサーチノートで「スノーフレークは優れたクラウド・データウェアハウスベンダーだが、それ以上の存在になれるかは依然として議論の余地がある」と述べています。

今後の展望:AI需要とデータ整備が成長のカギに

スノーフレークは、エヌビディア(NVDA)などAI分野の有力企業との連携を深めつつ、生成AIの発展に伴う企業のデータ整備ニーズに応える体制を強化しています。競合他社との競争は続きますが、市場全体が拡大傾向にあることが、同社にとって大きな追い風となりそうです。

*過去記事はこちら スノーフレーク SNOW

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