米国株式市場の最新動向:テック企業の動きと今後の注目点

2025年5月第4週の米国株式市場は、テクノロジー投資家にとって波乱の一週間となりました。5月24日からの3連休は一息つく貴重なタイミングとなり、次の決算発表シーズンへの準備期間にもなっています。

米国株式市場の全体的な動き

先週のS&P500指数は2.6%の下落、ナスダック総合指数は2.5%の下落となりました。ムーディーズによるアメリカの信用格付けの引き下げ、長期金利の上昇、大手テック企業の発表、そしてトランプ大統領による貿易政策に関する発言などが影響を与えました。

マイクロソフトとアルファベットのAI戦略が話題に

マイクロソフト(MSFT)はBuildカンファレンスでAIエージェントに関する取り組みを強調しました。一方、アルファベット(GOOGL)はGoogle I/Oイベントで検索エンジンに「AIモード」を導入し、生成AIチャットボットとの競争に本格参入する姿勢を見せました。
*関連記事「2025年のAIエージェント競争:マイクロソフトとアルファベットが示す未来

これらの発表はテック株投資家にとって大きな注目材料となりました。

アップル株、オープンAIの動きとトランプ発言で急落

アップル(AAPL)の株価は一週間で7.6%下落しました。特に21日には2.3%下落し、オープンAIがアップルの元チーフデザインオフィサーであるジョナサン・アイブ氏のスタートアップを64億ドルで買収するとの発表が影響しました。オープンAIのサム・アルトマンCEOは、「人々がAIを使って様々な創造的なものを生み出せるようなデバイスの開発」を目的とした買収であると述べました。

さらに、トランプ大統領が「アメリカ国内で製造されない限り、iPhoneに25%の関税を課す」と発言したことで、同社株は23日に再び3%下落しました。

*過去記事はこちら アップル AAPL

注目の決算発表:エヌビディア、セールスフォース、HP、デル

今週は、AIブームの中心にいる半導体企業エヌビディア(NVDA)の決算発表が28日に予定されています。チップ需要の動向や、貿易・規制面での影響に関するコメントが注目されます。
*関連記事「エヌビディア株に調整の兆し?決算前に知っておくべきリスクと注目ポイント

また、パソコンメーカーであるHP(HPQ)デル・テクノロジーズ(DELL)も28日と29日に決算を予定しています。現時点では電子機器がトランプ政権の報復関税から除外されていますが、その状況がいつまで続くかは不透明です。

セールスフォースと買収報道

ソフトウェア企業のセールスフォース(CRM)は28日に決算を発表します。今シーズンのソフトウェア関連決算は全体的に好調で、企業のAI関連投資が支えとなっています。セールスフォースについては、同社がインフォマティカとの買収交渉を再開したという報道もあり、M&Aに関する発表も注目されています。

最新情報をチェックしよう!