アップル、エヌビディア離れが鮮明に!アクティブファンドが選んだ勝ち組とは?

  • 2025年5月27日
  • 2025年5月27日
  • BS余話

2025年の米国株市場では、S&P500の時価総額の大部分を占める「マグニフィセント・セブン」(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラ)への依存から脱却し、金融およびヘルスケアセクターへの分散投資が注目されています。

アクティブファンドの戦略転換:テクノロジー株からの撤退

ゴールドマン・サックスの分析によると、541の大型株アクティブ運用型ミューチュアルファンド(総資産3.5兆ドル)は、2025年第1四半期において、アップル(AAPL)とエヌビディア(NVDA)への投資比率をそれぞれ3.3%および3.6%に抑え、ベンチマークの6.3%および5%を下回る形で保有していました。また、マイクロソフト、テスラ、アルファベットもアンダーウェイトの上位に位置しています。

このようなテクノロジー株への投資比率の削減は、2025年の市場環境において功を奏しました。アップルの株価は年初来で20%以上下落し、テスラも15%以上の下落を記録しています。この結果、アクティブ運用型大型株ファンドの50%がベンチマークを上回る成績を収め、過去平均の37%を大きく上回る成果となりました。

金融セクターへの注目:バリュー株の復権

ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイが保有する金融株が、アクティブファンドのポートフォリオでオーバーウェイトとなっています。ウェルズ・ファーゴ(WFC)は最もオーバーウェイトされており、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も上位に位置しています。また、ビザ(V)やマスターカード(MA)も注目されています。

これらの金融株は、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待、M&A活動の活発化、トランプ政権による規制緩和の可能性などを背景に、堅調なパフォーマンスを示しています。金融セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)は、2025年に約4%の上昇を記録しています。

ヘルスケアセクターの明暗:シグナとユナイテッドヘルスの対照

ヘルスケアセクターでは、メドトロニック(MDT)やシグナ(CI)などの医療機器メーカーや保険会社がアクティブファンドでオーバーウェイトされています。シグナの株価は年初来で約15%の上昇を記録しています。

一方、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は、メディケア・アドバンテージ事業のコスト増加、CEOの突然の辞任、メディケア詐欺疑惑などの問題に直面し、株価が年初来で約40%下落しています。

投資家への示唆:分散投資の重要性

2025年の市場動向は、テクノロジー株への過度な依存から脱却し、金融やヘルスケアなどのセクターへの分散投資の重要性を再認識させるものとなりました。特に、バリュー株やディフェンシブセクターへの投資が、アクティブファンドのパフォーマンス向上に寄与しています。今後も、経済環境や政策動向を注視しながら、柔軟なポートフォリオ戦略を構築することが求められます。

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