米国の半導体企業エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOが、AIチップの不正流通に関する懸念について言及したことが、ブルームバーグの報道により明らかになりました。同氏は5月17日、台北での取材において、自社製品の物理的な大きさや導入形態を踏まえ、製品の不正な中国流出は確認されていないとの見解を示しました。
グレース・ブラックウェルなど高性能システムの特殊性
報道によると、フアン氏はエヌビディアの最新システムが「グレース・ブラックウェル」と呼ばれる大規模な統合型AIコンピュータであり、重さは約2トンにも達することから、密輸などのリスクが低いと強調しています。販売先の企業や国も、自主的に厳格な運用を行っていると述べたとされています。
中東への展開と米国政府の規制変更
同記事では、フアン氏が米国代表団とともに中東を訪問し、アラブ首長国連邦やサウジアラビアとの協力を強化している様子も伝えられています。バイデン政権時代に導入されたAI技術の輸出制限については、トランプ大統領がこれを撤廃する意向を示しており、同地域への技術展開がさらに進む可能性があるとされています。
技術のグローバル展開に対するスタンス
フアン氏は、アメリカの先端技術を世界に広げることが重要であるとの考えを改めて示し、輸出制限に対して否定的な立場を表明しました。ブルームバーグの記事では、このような発言を通じて、同氏がエヌビディアの国際戦略と自由な技術流通の重要性を訴えている様子が伝えられています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA