2025年5月15日、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株価は前日比で10.93%下落し、274.35ドルで取引を終えました。これは、米司法省が同社のメディケア・アドバンテージ事業に関連する刑事捜査を行っているとの報道を受けた影響です。
株価は52週高値から56.5%下落、過去最大級の下落幅
ユナイテッドヘルスの株価は、2024年11月11日に記録した52週高値の630.73ドルから56.5%下落しています。この下落幅は過去最大級となっており、投資家に大きな衝撃を与えています。
CEOの突然の辞任と業績見通しの撤回が市場に不安を与える
同社はCEOのアンドリュー・ウィッティ氏が個人的な理由で辞任すると発表し、同時に2025年通期の業績見通しを撤回しました。この一連の発表により、経営体制への不信感が高まり、株価下落に拍車をかけました。
他の保険大手との比較:ユナイテッドヘルスの問題は特異
ヒューマナ(HUM)、CVSヘルス(CVS)、エレバンス・ヘルス(ELV)、シグナ(CI)などの他の大手保険会社も医療費増加に直面していますが、CVSヘルスやシグナは好決算を発表し、業績予想を引き上げています。このことから、ユナイテッドヘルスの問題は同社固有のガバナンスや内部統制に起因する可能性が高いと考えられています。
バンク・オブ・アメリカは格下げ、CEO交代も影響
バンク・オブ・アメリカのアナリストであるジョアンナ・ガジュク氏は、ユナイテッドヘルスの格付けを「買い」から「中立」に格下げしました。CEOの突然の辞任は、内部要因による問題の深刻さを示していると指摘しています。同社は経営の立て直しを図るため、元CEOのスティーブン・ヘムズリー氏を暫定的に復帰させると発表しました。
今後の展望と投資家への影響
ユナイテッドヘルス・グループが直面する刑事捜査は、進行中の民事調査と合わせて、同社のメディケア・アドバンテージ事業に対する市場の信頼を大きく揺さぶる要因となっています。今後の調査進展や経営陣の対応によっては、株価のさらなる変動が予想されるため、投資家は慎重な姿勢が求められます。