【速報】ウォルマート決算発表!関税リスクの中で株価はどう動く?

  • 2025年5月15日
  • 2025年5月15日
  • BS余話

米国最大手の小売業者であるウォルマート(WMT)は5月15日のマーケット開始前に2025年4月期の第1四半期決算を発表し、調整後1株当たり利益が0.61ドルと市場予想の0.58ドルを上回る好結果となりました。売上高は前年同期比2.5%増の1,656億ドルとなり、コンセンサス予想とほぼ一致しました。

米国内の既存店売上高は4.5%増となり、予想の3.9%増を上回る伸びを記録しました。この堅調な結果を受けて、ウォルマートは通期のガイダンスを維持し、売上高は前年比3〜4%増、1株当たり利益は2.50〜2.60ドルの範囲内としています。

第2四半期見通しも堅調、しかし関税リスクに警戒感

ウォルマートは第2四半期について、売上高が前年同期比3.5〜4.5%増加するとの見通しを示しました。これはアナリスト予想の3.4%増を上回る水準です。

しかし、関税政策の変動により、今後の業績には「かなりの不確実性」があると経営陣は警鐘を鳴らしています。特に、輸入コストの上昇は今後数ヶ月で消費者価格の上昇に繋がる見通しです。

関税の影響とその対応策

新たな関税措置が前四半期以降に発効し、大半の輸入品に10%の関税が課され、カナダやメキシコからの一部商品にはさらに高い関税が適用されています。中国からの輸入品に対しては一時的な合意が成立したものの、依然として30%という高い関税率が続いており、利益率に大きな圧力をかけています。

ウォルマートの米国売上高の約3分の1は中国やメキシコからの輸入品に依存しており、これらのコスト上昇が業績に与える影響は無視できません。財務責任者のジョン・デビッド・レイニー氏は、もし高関税率が再び適用されれば、利益成長が脅かされる可能性があると述べています。

一方で、ウォルマートはその巨大な規模、サプライヤーとの強固な関係、自動化による効率化、第三者マーケットプレイスの拡大、広告事業などの多様な収益源を活かし、関税リスクを乗り越える方針です。特に食料品については国内調達が多く、影響は比較的限定的とされています。

コスト増への対策と価格維持への取り組み

ウォルマートは関税によるコスト増に対して、国内調達の拡大、製品素材の変更、価格改定など複数の対応策を進めています。しかし、低利益率の小売業においてはすべてのコスト増を吸収するのは難しく、一部の商品では価格上昇が避けられない状況です。

最高経営責任者(CEO)のダグ・マクミロン氏は、中国からの輸入品が多い電子機器や玩具の価格が特に影響を受けやすいとしつつも、食料品の価格はインフレに苦しむ消費者への配慮から、できる限り抑制する方針を強調しています。

まとめ:ウォルマートの強さと今後の課題

関税リスクや地政学的な不確実性が続く中でも、ウォルマートは堅実な業績と市場シェアの拡大を続けています。アナリストも同社の対応力に一定の信頼を寄せており、今後の交渉次第では業績に上振れ余地があるとの見方もあります。

とはいえ、関税政策の行方次第で四半期ごとの業績に大きな変動が生じるリスクは残っており、慎重な注視が求められる状況です。

*過去記事「ウォルマート決算目前!注目すべきポイントと他社比較から読む米経済の行方」

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