エヌビディア株が続伸、サウジアラビアでの大型案件と決算期待が後押し

エヌビディア(NVDA)の株価が5月13日午前の米国市場で、前日比5.4%高の129.67ドルを記録し、時価総額が3兆ドルを突破しました。この水準を終値で維持すれば、2月28日以来となる3兆ドル超えとなります。

前日の取引では、米中貿易摩擦の緩和による安心感から5.4%上昇しており、この流れが続いている状況です。

半導体セクター全体に広がる上昇ムード

米中両国が90日間の関税引き下げに合意したことを受け、半導体関連株も軒並み上昇しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.2%高となり、インテル(INTC)は1.8%上昇、マーベル・テクノロジー(MRVL)は2.5%高、TSMC(TSM)は2.9%の上昇を記録しました。

サウジアラビアでのデータセンター建設が新たな成長材料に

エヌビディアはサウジアラビアのHumainと共同で500メガワット規模のデータセンター建設を進めると発表しました。これはリヤドで開催されたサウジ・米国投資フォーラムにおいて、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが明らかにしたものです。

HumainがサウジアラビアでAIインフラの構築を担うとされており、米国が同国に対し先端半導体の供給を認める可能性を示唆する動きとして注目されています。

決算への期待と中国向けチップの見通し

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やブロードコム(AVGO)も2.3%と3.6%上昇する中、エヌビディアは依然として中国への最先端AIチップの輸出が禁止されています。しかし、UBSのアナリストは直近四半期の決算について、売上高は市場予想をやや上回る一方、1株当たり利益は予想をやや下回るとの見通しを示しました。

UBSのティモシー・アキュリ氏は、H20チップの規制影響を考慮して目標株価を180ドルから175ドルに引き下げましたが、今年後半には成長が大きく加速すると予測しています。具体的には、GB300ラックの本格稼働や、エヌビディアが中国向けに改良版のブラックウェル・ベースチップを出荷する可能性があると述べています。

H20チップのダウングレード版が間もなく登場か

ロイター通信の報道によれば、エヌビディアは中国市場向けに性能を抑えたH20チップの投入を計画しているとされています。エヌビディアはこの報道に対しコメントを控えていますが、今後の動向が注目されています。

エヌビディアの次回決算発表は5月28日に予定されており、投資家の関心が集まっています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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