2025年5月12日、米国株式市場において注目の動きがありました。暗号資産取引所運営大手のコインベース(COIN)が、米国の代表的な株価指数であるS&P500に新たに組み入れられることが決定しました。これにより、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(DFS)は同指数から除外されます。
コインベース、S&P500入りの背景と市場反応
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、コインベースが5月19日の取引開始前にS&P500に追加されることを正式に発表しました。このニュースを受けて、コインベースの株価は時間外取引で11%近く急騰しました。
コインベースの時価総額は約508億ドルに達しており、これまでS&P500に未採用だった企業の中でも有力な候補と見なされてきました。今回の採用により、暗号資産市場に対する投資家の関心がさらに高まると期待されています。
ディスカバーの除外とキャピタル・ワンによる買収
今回の入れ替えは、キャピタル・ワン・ファイナンシャル(COF)によるディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの買収が背景にあります。キャピタル・ワンは、ディスカバーを353億ドル相当の株式交換によって買収し、米国第6位の規模を誇る銀行グループを形成する予定です。この取引は5月18日に完了する見通しです。
コインベースの成長戦略と今後の展望
コインベースは、暗号資産市場の拡大に伴い事業を拡大し続けています。最近では、ドバイに拠点を置くビットコインおよびイーサリアムの先物・オプション取引プラットフォームであるデリビットを、29億ドルで買収する計画を発表しました。この取引は年内に完了する予定です。
また、米国の政権交代を受け、暗号資産に対する規制緩和への期待も高まっています。コインベースはこうした環境下で存在感を強め、今後さらなる成長を目指しています。
まとめ
コインベースのS&P500採用は、暗号資産業界全体にとって大きな転機となります。ディスカバーの除外とキャピタル・ワンによる買収と合わせて、米国金融業界における再編の動きが鮮明になりました。今後もコインベースをはじめとする暗号資産関連企業の動向に注目が集まります。