アメリカの宇宙発射・技術提供企業ロケット・ラブ(RKLB)は5月8日に第1四半期の決算を発表し、1株あたり12セントの損失を計上しました。売上高は1億2,260万ドルとなり、前年同期比で32%の増加を記録しました。市場予想では1株あたり11セントの損失、売上高は1億2,140万ドルとされていたため、損益面ではわずかに予想を下回りましたが、売上は市場予想を上回りました。
現時点では、利益よりも売上の成長が重視される段階にあるため、この結果は一定の評価に値します。
株価の反応と過去12か月の動き
9日の米国市場で、ロケット・ラブの株価は10%下落し、20.75ドルで取引されています(14:30時点)。
しかし、同社の株価は過去12か月で442%も上昇しており、依然として長期的な成長トレンドを維持しています。この1年間で株価は4ドルから33ドルの間で推移しており、非常にボラティリティの高い銘柄です。
第2四半期と将来の見通し
ロケット・ラブは、第2四半期の売上高見通しを1億3,500万ドルと発表しました。これは、前年同期の1億630万ドルから大幅な増加となります。市場予想は1億3,510万ドルで、ほぼ一致しています。
証券会社シュティフェルのアナリストであるエリック・ラスムッセン氏は、今回の決算を「堅調」と評価しており、2025年後半には新型大型ロケット「ニュートロン」の打ち上げが予定されていることを強調しています。同社は現在、「エレクトロン」ロケットを使用していますが、より大型で貨物容量の大きい「ニュートロン」の投入により、新たな契約獲得の可能性が広がります。
ラスムッセン氏は、同社の株式を「買い」と評価し、目標株価を29ドルとしています。
財務基盤と将来的な成長
同社は四半期末時点で約4億3,000万ドルの現金を保有しています。2025年には1億7,000万ドル程度の現金使用が見込まれており、2026年にはフリーキャッシュフローの黒字化が予想されています。売上高は2025年に5億7,500万ドル、2026年には9億ドル超まで成長すると見込まれています。
さらに、アメリカ空軍との新契約も発表されており、ロケットを使って世界中に迅速に貨物を移動させる技術の試験が予定されています。これは、商業宇宙産業における新たなビジネスチャンスの獲得を意味します。
まとめ
ロケット・ラブの短期的な株価下落は注目を集めましたが、同社の売上成長や技術開発、契約拡大の動きを見る限り、成長ストーリーは続いています。ボラティリティの高い銘柄ではありますが、商業宇宙市場への期待が高まる中で、投資家の関心は引き続き高い状態が続くと見られます。