アファーム決算発表で株価急落…それでも強気なアナリストの根拠

アファーム・ホールディングス(AFRM)の株価は、5月9日の米国市場の午前の取引で13%下落しました。同社が発表した第4四半期の売上見通しが市場予想を下回ったことが要因です。

第3四半期決算は市場予想を上回るも、慎重なガイダンスが重しに

アファーム・ホールディングスは第3四半期の決算で、アナリストの予想を上回る業績を報告しました。しかし、現在の四半期に関しては、売上高を8億1,500万ドルから8億4,500万ドルの範囲とするガイダンスを発表しました。これはファクトセットが事前に予想していた8億4,140万ドルをわずかに下回っています。この慎重な見通しが株価下落につながったと見られています。

成長の原動力となる「アファーム・カード」と0%APRローン

一方で、業績の中には好材料も見られます。特に「アファーム・カード」の採用が進み、前年同期比で115%増の200万人のカード保有者を記録しました。前四半期の113%増からさらに成長しています。

また、0%金利ローンの取扱高も44%増加しました。同社はこの施策を一時的に補助することで、加盟店に販売促進の効果を体験してもらうことを目指しています。これは競合他社が同様のサービスを展開していない中で、差別化要因として機能しています。

アナリストの評価は分かれるも、株価上昇余地に期待

こうした中で、サスケハナのアナリストであるジェームズ・フリードマン氏は、アファームの格付けを「中立」から「ポジティブ」に引き上げ、目標株価を65ドルに設定しました。同氏は、株価が2月の高値から33%下落し、年初来でも13%下落している点に注目しています。

一方、J.P.モルガンのアナリストチームは「オーバーウェイト」の格付けを維持しつつも、目標株価を74ドルから69ドルに引き下げました。これは、経済全体の不確実性を反映したものです。

マクロ経済リスクにも対応可能な柔軟な経営戦略

アファームのCEOであるマックス・レブチン氏は、株主向けの書簡の中で「どのようなマクロ経済環境でも柔軟に事業を運営するための準備は整っている」と述べています。同社は過去にも2020年や2022~2023年の金利上昇局面を乗り越えており、現在の経済環境にも対応できると強調しています。

また、仮に信用リスクが50%増加した場合でも、流通総額(GMV)は25%台の成長を維持できるとするリセッションシナリオ分析も提示しました。

エバコアISIも強気を維持、見通しに安心感

エバコアSIは「アウトパフォーム」の格付けを維持し、目標株価を50ドルから56ドルに引き上げました。アナリストは「今回の決算は堅調であり、BNPL(今買って後で払う)市場の成長とアファームの強固なポジションを確認する内容だった」と評価しています。

慎重なガイダンスがあるものの、「株価の短期的な上昇を妨げるような材料は見当たらない」と述べており、関税リスクがある環境下でも株価には上昇の余地があると見ています。

まとめ

アファーム・ホールディングスは保守的な見通しを示しつつも、カード事業や無金利ローンの成長など、複数の成長ドライバーを抱えています。経済不確実性が続く中でも、柔軟な経営戦略と収益構造により、今後の成長に期待が持てる企業であるといえます。

*過去記事はこちら アファーム AFRM

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