2025年に入ってから米国株市場は厳しい局面が続いています。特にハイテクセクターは、関税問題の影響などでナスダック総合指数が年初来で8%以上の下落を記録するなど、苦戦を強いられています。しかし、そうした中でも将来性のあるテーマとして注目されているのが「人工知能(AI)」です。
米国の著名投資情報誌『バロンズ(Barron’s)』の最新記事では、ウェドブッシュ証券の敏腕アナリスト、ダニエル・アイブス氏が「AIは過去40年で最大のテクノロジー変革」と位置づけ、AI関連で注目すべき30銘柄を6つのカテゴリーに分類して紹介しています。
6分野で厳選!今後注目すべき企業群
① 半導体・ハードウェア分野
AIの基盤を支える重要セクターです。
- エヌビディア(NVDA)
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
- TSMC(TSM)
- ブロードコム(AVGO)
- マイクロン・テクノロジー(MU)
② ハイパースケーラー(クラウドインフラ)
クラウドを基盤にAIを大規模展開する企業が名を連ねます。2025年のAI関連設備投資は3,250億ドル以上に達すると予測されています。
- マイクロソフト(MSFT)
- アルファベット(GOOGL)
- アマゾン・ドット・コム(AMZN)
- オラクル(ORCL)
③ ソフトウェア分野
2028年までにAIを活用するアプリが10億本を超えると見込まれています。
- パランティア・テクノロジーズ(PLTR)
- セールスフォース(CRM)
- IBM(IBM)
- サービスナウ(NOW)
- スノーフレーク(SNOW)
- アドビ(ADBE)
- ペガシステムズ(PEGA)
- モンゴDB(MDB)
- シースリー・エーアイ(AI)
- エラスティック(ESTC)
- イノデータ(INOD)
- サウンドハウンドAI(SOUN)
④ コンシューマーインターネット
個人消費や広告、検索エンジンにおけるAI活用が進んでいます。
- アップル(AAPL):世界人口の4分の1が同社端末を通じてAIにアクセスすると予測
- メタ・プラットフォームズ(META)
- アリババ・グループ・ホールディング(BABA)
- バイドゥ(BIDU)
⑤ 自律化・ロボティクス
AIとロボティクスの融合による次世代交通や産業自動化に注目です。
- テスラ(TSLA):ロボタクシー構想を推進
- オクロ(非上場/Oklo):AIとロボットの普及に伴う電力需要増加に対応する原子力スタートアップ
⑥ サイバーセキュリティ
AI普及によるセキュリティリスク増大に対処する企業も要注目です。
- Zスケーラー(ZS)
- パロアルトネットワークス(PANW)
- サイバーアーク・ソフトウェア(CYBR)
投資家へのメッセージ
アイブス氏は「関税リスクはあるが、AI革命を止めることはできない」と強調しています。また、22Vリサーチのデニス・デブシャー氏も、経済が景気後退を回避する可能性が高く、メガキャップテック(いわゆる“マグニフィセント・セブン”)に再び資金が向かうと予測しています。
これらの企業は、AIという巨大な成長テーマの中で重要なポジションを占めています。関税や市場のボラティリティが短期的に影響を与える可能性はあるものの、長期的な成長ポテンシャルを見据えるなら、投資家として注目しておくべき銘柄ばかりです。