米メディアのブルームバーグが報じたところによると、アップル(AAPL)が自社ブラウザ「Safari」の検索機能を見直し、AIを活用した新たな検索エンジンの導入を検討していることが明らかになりました。
この動きは、米司法省によるアルファベット(GOOGL)への反トラスト訴訟の過程で、アップルの上級副社長エディ・キュー氏が証言した内容によって明らかになりました。SafariにおいてGoogleをデフォルト検索エンジンとする現在の契約は年間で約200億ドル規模とされ、業界全体にも多大な影響を与えています。
AI検索の台頭と利用者の行動変化
記事では、Safariを通じた検索の利用回数が初めて減少したことにも触れられており、その原因としてChatGPTをはじめとするAI検索の普及が挙げられています。アップルは、PerplexityやAnthropic、DeepSeekなど複数のAIプロバイダーとも協議を進めており、将来的にはSafariでの検索エンジンの選択肢としてこれらのAIが追加される可能性があるようです。
Googleとの提携の行方にも注目
一方で、アップルは依然としてGoogleとの契約が財務的に最良であると認識しており、その収益への依存が続いている現状も報じられています。AIの進化と市場の変化に対応する姿勢を見せながらも、現時点ではGoogleとのパートナーシップを維持する構えのようです。
さらに、マイクロソフト(MSFT)のBingに関する契約も更新されており、検索エンジン業界全体での再編が進行中であることがうかがえます。
AIによる検索体験の革新が市場に与える影響
キュー氏は、AIによってもたらされる検索体験が、従来型の検索を上回る場面が増えていると語り、今後の技術革新によってユーザーの行動が大きく変わる可能性を示唆しています。これにより、検索エンジン市場の競争構造そのものが変わっていく可能性があります。
今回の報道を受けて、5月7日午前の米国市場でアルファベットの株価が8%以上も急落したことからも、市場がAIの影響を敏感に捉えていることがわかります。
まとめ
ブルームバーグによると、アップルは今後もAI技術を活用しながら、ユーザーにとって最適な検索体験の提供を目指しているとのことです。AI検索の進化とその影響は、今後のテクノロジー業界および投資家にとって重要な関心事となりそうです。