米国の有力投資情報誌バロンズ(Barron’s)が、2025年5月2日付の記事で「エネルギー業界全体が厳しい局面を迎える中でも、健闘が期待される石油精製企業3社」にスポットを当てています。
精製業界の独自の強み
一般に、原油価格の上下に大きく左右されるエネルギー企業ですが、「精製業」はやや異なる動きを見せます。精製企業は、原油をガソリンやディーゼルなどの燃料に加工する役割を担っており、その収益は「原油価格と燃料価格のスプレッド(差)」に大きく依存します。
足元では、燃料市場の需給が原油市場よりもタイトになっており、このスプレッドが拡大。4月末には、原油と卸売ガソリンの価格差が年初の約13ドルから27ドルに拡大しています。
この背景には、世界的な製油所の供給不足があります。新設と同じくらいのペースで製油所が閉鎖されており、たとえばライオンデルバセル・インダストリーズ(LYB)は2月にヒューストンの製油所を閉鎖。フィリップス66(PSX)も今後、ロサンゼルス郊外の製油所を閉める計画を公表しています。
注目の3銘柄:バリュエーション妙味も
記事では以下の3社に注目しています。
- バレロ・エナジー(VLO)
・堅実な財務体質と規模を持つ最大手
・現在の配当利回りは約3.9%と魅力的 - マラソン・ペトロリアム(MPC)
・精製能力の規模で競争力を維持
・業績はやや低調であるものの、2027年までに利益倍増の予想も - PBFエナジー(PBF)
・ニュージャージー拠点の中小精製業者
・株価は年初来で30%以上下落
・配当利回りは6.4%、減配リスクにも耐える設計
加えて、これら精製企業に分散投資する手段として、世界中の原油精製企業に投資するVanEckのETF「CRAK」(VanEck Oil Refiners ETF)も紹介されています。
今後の見通し
もちろん、世界的な景気後退が本格化すれば、燃料需要の落ち込みにより精製企業も打撃を受ける可能性は否めません。しかし、当面は製油能力の逼迫と輸出需要の堅調さにより、精製マージンは高水準を維持する可能性があります。
今後の利回りやバリュエーション面で妙味のあるこれら石油精製株。エネルギーセクターにおける逆風下の「選別投資」の一環として注目する価値がありそうです。