ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.A / BRK.B)は、5月3日に開催された第60回年次株主総会において、バフェット氏が年末をもって最高経営責任者(CEO)を退任し、副会長のグレッグ・アベル氏が後任に就任することを発表しました。この発表は、同社の歴史における大きな節目となります。
バフェット氏の退任とアベル氏の就任
94歳のバフェット氏は、総会の終盤で突然この決定を発表し、取締役会の承認を経て、年末にアベル氏がCEOに就任する予定であると述べました。この発表は、取締役の一部とアベル氏自身にも事前に知らされておらず、会場には驚きが広がりました。バフェット氏は、今後も助言者として関与する可能性があるものの、アベル氏が全面的な経営権を持つことを強調しました。
バークシャー・ハサウェイの業績と現状
2025年第1四半期、バークシャー・ハサウェイの営業利益は前年同期比14%減の96億4,100万ドルとなりました。これは、カリフォルニア州の山火事による保険引受損失や為替変動の影響によるものです。一方で、同社の現金及び現金同等物は過去最高の3,477億ドルに達し、投資機会の不足が続いていることを示しています。
グレッグ・アベル氏の経歴と評価
アベル氏は、カナダ・アルバータ州出身で、バークシャー・ハサウェイ・エナジーの会長兼CEOを務めてきました。2018年からはバークシャー・ハサウェイの非保険事業部門の副会長として、同社の多様な事業運営に携わってきました。バフェット氏は、アベル氏を「信頼できる後継者」として高く評価しており、同氏の就任によりバークシャー・ハサウェイの将来がさらに明るくなると述べています。
今後の展望と投資家への影響
バフェット氏の退任は、バークシャー・ハサウェイにとって大きな転換点ですが、同社の分散化された事業構造とアベル氏の経験により、安定した経営が期待されます。投資家にとっては、同社の長期的な成長戦略と堅実な財務体質が引き続き魅力的であり、今後の動向に注目が集まります。
バークシャー・ハサウェイの株主や投資家にとって、バフェット氏の退任は感慨深い出来事ですが、同社の堅固な基盤と新たなリーダーシップの下で、さらなる成長が期待されます。