ロク株が急落、ガイダンス下方修正と広告市場の不透明感が影響

ロク(ROKU)の株価が5月1日の決算発表を受けて急落しました。ストリーミングデバイスおよび広告収益の見通しが厳しくなったことが主な要因です。決算内容と市場の反応、今後の見通しについて詳しく解説します。

四半期決算の概要

ロクの2025年第1四半期決算は、市場予想よりやや良好な結果となりました。1株あたりの調整後損失は19セントで、ファクトセット調べのアナリストの予想(26セントの損失)を上回りました。売上高は10億2000万ドルで、こちらも市場予想の10億1000万ドルをやや上回りました。

しかし、市場の反応は厳しく、2日の米国市場で株価は一時10%下落し、60.78ドルとなりました。年初来では18%の下落となっており、S&P500指数の3.5%の下落と比較しても大きなマイナス幅です。

通期および第2四半期の見通しを引き下げ

ロクの経営陣は、2025年通期の売上高見通しを45億5000万ドルに引き下げました。これは、前回の第4四半期決算時に示された46億1000万ドルからの下方修正となります。アナリストのコンセンサス予想(45億8000万ドル)もやや下回る水準です。

また、第2四半期の売上高についても、予想の10億9000万ドルに対して10億7000万ドルと、控えめな見通しが示されました。

デバイス部門の不透明さと関税の影響

ロクは、自社のストリーミングデバイス部門について、2025年には前年比12%の成長を見込んでいると以前に発表していました。しかし、今回の決算説明では、関税の影響が依然として不透明であり、デバイスの売上高および粗利益の水準は2024年と同程度になるとの見通しを示しました。

ドナルド・トランプ大統領による関税政策は、企業に今後の経済環境への不安を与えており、ロクの広告主もその影響を受けているとされています。

広告収入への影響と他のテック企業の状況

ロクの経営陣は、広告主が予算を見直しており、その動きが業績に影響していると説明しました。同様の傾向は、スナップ(SNAP)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)など、他のテクノロジー企業からも報告されています。

ウェドブッシュのアナリストであるアリシア・リース氏は、ロクのユーザーデータの活用力に期待を寄せつつも、関税が撤廃されるまでは広告収入の不透明感が続く可能性があると述べています。なお、同氏はロクを「アウトパフォーム」と評価し、目標株価を100ドルに設定しています。

ストリーミング市場への追い風

一方で、ストリーミング市場へのシフトはロクにとって好材料といえます。CEOのアンソニー・ウッド氏は、広告主が従来のテレビからストリーミングチャンネルへと予算を移していると述べました。

ピボタル・リサーチ・クループのアナリストであるジェフリー・ウロダルチャック氏は、「ストリーミングへの移行はロクの追い風であり、経済が弱含みとなった場合でも、消費者が節約を図る中でその傾向はさらに加速する可能性がある」と指摘しています。同氏はロクの目標株価を125ドルから100ドルに引き下げたものの、投資判断は「買い」を継続しています。

*過去記事はこちら ロク ROKU

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