語学アプリの覇者デュオリンゴ、AIで業績絶好調!投資家が注目すべきポイントは?

  • 2025年5月3日
  • 2025年5月3日
  • BS余話

語学学習アプリを運営するデュオリンゴ(DUOL)は、2025年第1四半期の決算において、市場予想を上回る好調な業績を発表しました。1株あたり利益は72セントと、ファクトセット調べの市場予想の51セントを大きく上回りました。売上高は前年同期比で38%増の2億3,070万ドルに達し、こちらもアナリスト予想の2億2,320万ドルを上回りました。

決算発表に伴い発表されたニュースリリースでは、人工知能(AI)が中心的なテーマとなっており、最高経営責任者(CEO)のルイス・フォン・アン氏は、AIが効率性向上において極めて重要な役割を果たしていると強調しました。

「AIファースト」方針と人員構成の見直し

デュオリンゴは、社内メモにおいてAI技術を中核に据えた「AIファースト」の方針を明示しました。フォン・アン氏は、手作業によるコンテンツ制作をAI主導のプロセスに置き換えたことが、最良の決断の一つだったと述べています。これにより、従来数十年かかっていたコンテンツのスケーリングが大幅に加速されたといいます。

この方針により、今後AIで対応可能な業務においては外部委託の契約を段階的に終了すると発表しました。この決定はユーザーから賛否を呼びましたが、企業戦略としては成果を上げているようです。

株価は16%急騰 AIコストは一時的か?

決算発表後の5月2日の米国市場でデュオリンゴの株価は前日比16.27%高の465.09ドルに上昇しました。

UBSのアナリストは、デュオリンゴが生成AIに関連するコストの最適化で予想以上の成果を上げたことを評価しています。ただし、これらのコスト削減がChatGPT 4.1の導入による一時的なものである可能性も指摘されています。

デュオリンゴ・マックスと収益構造の変化

デュオリンゴは無料で利用可能なプラットフォームですが、収益の大部分は有料サブスクリプションから得ています。2023年には「デュオリンゴ・マックス」という新しいサブスクリプションプランを導入し、AIを活用した学習支援機能を提供しています。

この拡張により、2025年第1四半期の総粗利益率は前年同期の73%から71.1%に低下しました。これは、生成AIの活用によるコスト増加が影響したとしています。

新コースの導入とコンテンツ拡張

AIを積極的に活用しているデュオリンゴは、最近148の新しい語学コースを生成AIで開発し、プラットフォームに追加しました。このようなスピーディーなコンテンツ拡張が、ユーザー数の増加に寄与しています。

さらに、デュオリンゴは2023年に数学や音楽コースを導入したのに加え、2025年にはチェスのベータ版コースもスタートさせました。J.P.モルガンのアナリストは、言語やチェスが反復練習によって習得される点で共通しており、既存プラットフォームに自然に組み込まれると評価しています。

今後の展望

AI活用を通じてコンテンツ制作の効率化と収益の向上を同時に達成しているデュオリンゴは、今後もユーザー基盤の拡大と収益性の向上が期待される企業です。生成AIの進化とともに、どのようにサービスが進化していくか注目が集まっています。

*過去記事「デュオリンゴの株価急落、成長も市場予想に届かず

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