米国のフィンテック企業、ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)は、2025年3月期第1四半期決算の好調を受けて、通期見通しを引き上げました。CEOのアンソニー・ノト氏は、「借入、貯蓄、支出、投資、保護」すべてをカバーするワンストップ金融機関としての成長を加速させていると述べています。
予想を上回る四半期決算
4月29日のマーケット開始前に決算を発表したソーファイの四半期利益は1株あたり6セントとなり、アナリスト予想の3セントを上回りました。調整後の純収益は前年同期比33%増の7億7200万ドルで、ウォール街の予想である7億3900万ドルも上回っています。これは過去5四半期で最も高い成長率となりました。
株価はこの発表を受けて上昇し、14時過ぎの段階で1.4%高の13.39ドルで取引されています。年初来では13%下落していますが、過去1年では約98%の上昇となっています。
すべての事業セグメントで好調
すべての事業部門が好調な業績を記録しましたが、特に金融サービス部門の収益は前年同期比で101%増の3億300万ドルとなりました。
融資実行総額は72億ドルに達し、第1四半期では16億ドルが新規に実行されました。住宅ローンの実行額は新たに提供を始めたホームエクイティローンの影響もあり、54%増加しました。
手数料収入も67%増の3億1500万ドルとなり、過去最高を記録しています。学生ローンの分野からはある程度軸足を移したものの、同分野での成長も継続しており、学生ローンの実行額は12億ドルで59%の増加を見せました。
通期見通しを上方修正
ソーファイ・テクノロジーズは、2025年の通期見通しを以下のように引き上げました。
- 調整後純収益:32億3500万ドル〜33億1000万ドル(従来予想は32億ドル〜32億7500万ドル)
- 調整後EPS:27セント〜28セント(従来は25セント〜27セント)
- 調整後EBITDA:8億7500万ドル〜8億9500万ドル(従来は8億4500万ドル〜8億6500万ドル)
今後の成長戦略と業界での地位
CEOノト氏は、「ソーファイ・テクノロジーズはアメリカの時価総額上位10社に入る金融機関を目指している」と語り、さらなるプロダクトの展開と既存サービスの改善に注力していく姿勢を明確にしました。
アナリストからも高評価を得ており、ウィリアム・ブレアは「伝統的な金融機関からシェアを加速度的に奪うポジションにある」とコメントしました。また、米国みずほ証券は「この不安定なマクロ経済環境の中、ソーファイ・テクノロジーズは安定性の象徴である」と評価し、前四半期から会員数の加速的増加や主要指標の改善に注目しました。
ジェフリーズも融資実行額が過去最高を更新した点に注目しており、旺盛なプライベートクレジット投資家の需要が同社の成長を支えるだろうと分析しています。
ソーファイ・テクノロジーズは、引き続きデジタル金融の先頭を走る存在として、今後も投資家からの注目を集めることが期待されます。
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