米国の水素技術企業であるプラグパワー(PLUG)の株価が、4月28日の米国市場で急上昇しました。新たな資金調達の発表を受けて、投資家の期待が高まっています。
プラグパワーが新たに5億2500万ドルの資金調達を発表
プラグパワーは、ヨークビル・アドバイザーズとの間で5億2500万ドルのクレジットファシリティ契約を締結しました。初回クロージング時には2億1000万ドルが利用可能になる予定で、締結日は5月2日頃とされています。
今回の資金は、ヨークビル・アドバイザーズが保有する転換社債約8250万ドルを返済するために使用されます。この転換社債は約5500万株に相当するため、既存株主への希薄化リスクが軽減された形となります。
株価は28%上昇、市場の期待が高まる
この発表を受けて、プラグパワーの株価は一時28%上昇し、1.04ドルとなりました。
資金調達のニュースに加えて、プラグパワーは2024年末時点で約10億ドルの債務を抱えていたことも明らかにしています。しかし、TDカウエンのアナリスト、ジェフ・オズボーン氏は「今回の借入金利は年率15%と高いものの、全体的にはポジティブな動き」と評価しており、同社株に対して「買い」推奨を継続し、目標株価を3ドルと設定しています。
資金繰りの見通しと今後の株式発行予定
プラグパワーは2025年に新たな株式発行を行う予定がないことも発表しました。2025年3月末時点で、同社は「制限のない現金」として約3億ドルを保有しており、財務体質の改善が期待されています。
これは株主にとって大きな安心材料となり、短期的な資金調達リスクを回避できる状況にあります。
2025年、2026年の売上見通しと課題
プラグパワーは2025年に約7億4000万ドル、2026年に約9億2000万ドルの売上高を見込んでいます。しかし、同社は2025年に約5億3000万ドル、2026年に約4億4000万ドルの資金流出が予想されています。ウォール街では、2028年に売上高18億ドルを達成し、初めてフリーキャッシュフローがプラスに転じると見込んでいます。
短期的な成長とキャッシュフローの安定化が大きな課題であるものの、長期的な成長ポテンシャルに対する期待感が高まっています。
まとめ
プラグパワー(PLUG)は、資金調達と債務返済を進めることで財務基盤の強化を図っています。依然としてキャッシュフロー改善までには時間がかかる見通しですが、2025年以降の成長に向けた取り組みが着実に進んでいる状況です。今後も株価動向を注視し、適切なタイミングで投資判断を行うことが重要です。